2011年02月02日

Fast City - A Tribute to Joe Zawinul/Metropole Orchestra&Vince Mendoza

オランダのメトロポールオーケストラが音楽監督としてヴィンスメンドゥサを迎えてから繰り広げられているフューチャリングゲストとのコラボレーションの質の高さは特筆に値する。最近ではジョンスコフィールド、イヴァンリンス、ブレッカーブラザーズとのものが記憶に新しい。この功績はヴィンスのアレンジ、ディレクションに寄るところが大きい。優れたパフォーマーである以前に優れたコンポーザー、アレンジャーであるゲストの作品をオーケストラ用にリアレンジすることはアレンジャーとしてやりにくいはずで、本来のサウンドの焼き直しレベルのものであればさほど難しいことではないがオリジナルの良さを損なわずにそこに「ヴィンス」色を注入するとなるとなかなか難しい。それをヴィンスは慎重に且つ大胆に行っている。
勿論オーケストラの演奏も素晴らしい。大所帯だとサウンドが「重く」「反応が鈍く」なりがちだがフレキシブルで反応のいい一面も表現出来る希有なオーケストラだと言えよう。

本作も含めて一連の作品はコンサート収録でありスタジオでのレコーディングよりレコーディング環境が難しい中でこれほどの高いクオリティの演奏が可能なのはオーケストラ自体がパーマネントでこういった活動をしているからに他ならない。

今回の作品はパフォーマーとしてのゲストではなく惜しくも2007年9月に亡くなった、ジョー・ザヴィヌル(以下JZ)の作品集である。




JZと言えばウェザーリポートをウェインショーター達と結成しエレクトリックジャズの先駆けとなったジャズの牽引者。後に加入したジャコパストリアスとの頃のウェザーリポートがある一つのピークでありジャズにに対する「答え」だったような気さえする。
JZの作品はオーケストレーションが緻密になっている部分とソリストが自由に表現出来るスペースが混在していることが大きな魅力で、それを本作でもヴィンスのアレンジはきちんと周到している。

もはやJZの作品はもともとオーケストラに書かれていたのではないかと錯覚するほど楽曲と演奏の相性がいい。そこにウェザーリポートでの朋友、ピーターアースキン、アレックスアクーニャ、JZのDNAを十分すぎる程受け継いでいるジムベアードが参加しているのだからこれほど強靭な「トリビュート・ジョー・ザヴィヌル」はない。



posted by YM at 16:38| 東京 ☁| レコメンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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