2011年02月05日

JAY&KAI/J.J.JOHNSON & KAI WINDING

ジャズ2トロンボーンにおけるバイブルと断言出来る1枚。

しかもこのアルバムがオリジナルアルバム「JAY&KAI」の他に6曲のボーナストラックも収録されている。これらは初CD化された1956年ニューポート・ジャズ祭でのライブ録音も含まれる。まだ今のように超ヒット作以外のCDによる復刻化がされていなかった頃、中古アナログ盤を求めて中古アナログレコード店をハシゴしていた私にとっては感涙もののボーナストラックだ。これらアルバムが当時市場価格として10000円前後だったと思う。当時、自分にとってはかなりの散財ではあったが音楽における自己投資ということで無理を承知で、JJ、Rosolino,Fontana関係は沢山中古アナログを買った。(新譜としてリアルタイムで買えなかった自分の世代にとって、それらの演奏はリアルタイムではなく「過去」のものだっとも言うことが出来る。)

おそらく20年前ほどになるが、幸運にもJJにインタビューする機会があり、色んな質問をした。もともと、このプロジェクトはレコード会社プロデューサーの発案でJJとBennyGreenの組み合わせでやるということだっが紆余曲折ありJJとKaiとの黒人と白人の組み合わせということになった。このたまたま黒人と白人の組み合わせになったのか、意図的なものなのかについてが失念してしまった。いずれにしてもBennyとKaiのサウンドはJJとは対照的だったのでBennyとの組み合わせも面白かったに違いない。BennyはよりアーシーでソウルフルだったのでJ&Bはより黒っぽいサウンドになっていたかも知れない。Miles Davisが「クールの誕生」のアルバムを作る際にリズムセクションを黒人を配したことで黒くなりすぎないように意図的に管楽器奏者を自分以外は白人を擁したという話は有名な話。

インタビューでアレンジした方が2ndトロンボーンパートを演奏しているということを指摘したら「よく解ったね」とJJが驚いていた。演奏も音楽観も違う優れた音楽家2人がお互いのトロンボーンを通して作られたサウンドは一過性のものではなく普遍的なサウンド。聴く人によっては今の時代においては「懐古的」なサウンドに聴こえるかも知れないが私にはそれは「懐古的」ではなく「普遍的」なものだと感じた。クラシック音楽がそうであるように、優れたものは時間軸関係無しにして遺っていくものだ。

フロントが2トロンボーンの編成のものはそれ以降機会があるごとに企画として取り上げられるが残念ながら私が知る上で音楽とトータルで見た時にJ&Kを越えるものはないように思う。
それはアレンジに関しても単なる2ホーンのヘッドアレンジではなく、きちんとリズムセクションにおいてもアレンジが施されていたり、トロンボーン二人が色んなミュートを使ったりしてかなりサウンドデザインに関して考えているからだと思う。

いわゆるピアノトリオをバックにフロント二人がメロディをシェアして、メロディでないパートが適宜にハモったりフィルインをするといったヘッドアレンジ(厳密にはアレンジとは言い難い。しかしその方法論を否定するつもりもない。)でのセッションは、ある意味顔見世興行的でもありフロントマン同士の「バトル」的な要素ばかりがクローズアップされがちでもある。そういう意味ではこのJ&Kは例えコンセプト先行で始まったとはいえ、インスタント的でもなく記録でもなく、「作品」として立派に成立している。



今一度ジャズトロンボーン奏者はこの辺りの作品を違った角度で検証すべきかも知れない。



posted by YM at 14:02| 東京 ☀| レコメンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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