2011年06月21日

The Orpheus Suite / Colin Towns Mask Orchestra

英国作曲家Colin Townsのビッグバンドの2007年のアルバム。Bohuslan Big Band and Colin Towns with Nils Landgrenのコールポーター集での彼の存在を知り早速彼のソロ名義の音源を購入したうちの一枚。(他にもマイルス、フランクザッパ、ジョンレノンのカバー集などをリリースしている。)
彼の書くサウンドはある意味「非・ジャズ」でクラシック的でもなく、敢えて言うならばプログレッシブロック的なアプローチをビッグバンドでしているように思える。そして「非・米国サウンド」。とてもブリティッシュな印象のサウンド。和声はコンテンポラリージャズにあるような響きがあるが、激しく移り変わるわけでなく、和音の印象はゆったりしている。そのかわりオーケストレーションがかなりユニークで各セクションのリズムの噛み合わせが多く非常にリズム面で立体的。定位を考慮したアレンジになっているので非常にステレオフォニックなサウンドになっている。リズム隊もホーン隊もリズムのキレがいいのでビッグバンドということを忘れてしまう程だ。曲によってはカーラブレイっぽいサウンドをよりアグレッシブ、メカニカルにしているような印象を持つ。管楽器奏者としての意見としてはマリアシュナイダーの書くPad的なアプローチのアレンジよりはよほど演奏していて楽しいと思われる。しかし、テンポが早くて変拍子やパラリドル的で、各楽器との細かな噛み合わせが多い彼のアレンジは練習しないと難しそう。

彼のサウンドがユニークなのは、彼の普段のキャリアの立ち位置が「非・ジャズ」ではなくいわゆる商業音楽であるから故だと思う。また逆の見方をすれば彼の才能の範疇が「ジャズ」に納まらない結果が映画、テレビドラマ、アニメ、芝居の音楽のスコアを書くことになったのだろう。また、彼の書く「非・ジャズ」のキャンパスの上で「米国ジャズ」に影響を受けているプレイヤーのソロが浮遊するのが何とも奇異な感じで面白い。





posted by YM at 21:56| 東京 ☀| レコメンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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