このアルバムは白熱した「生」の熱いカンジというよりはシンセサイザーや打ち込みの比率が高いためか、発売当時の私の印象はクールなサウンドでした。
その後、次々とマイケルのソロアルバムを中心にドンは多くのオリジナル曲を発表していくわけですが、その中で当時のニューヨークのコンテンポラリージャズミュージシャンが彼の曲を取り上げる機会が増えていきます。それほど彼のオリジナル曲は先端を行くミュージシャンにとって魅力的だったのだと思います。
話しは戻り、このアルバムは派手さがあまりない極めて内省的なものだと言えます。そのせいか、最初に聴いたインパクトは無いものの、聴けば聴く程じわじわ自分の心に沁み込んできます。気がつくと自分の中でこのアルバムの存在感が大きくなっています。
その後、ドンはブルーノートではよりアグレッシブなジャズ、そしてアフロキューバンサウンドのアルバムをリリースしていきますが、このアルバムこそが彼のリリシズム、繊細さを強く感じることの出来るアルバムだと思います。
残念ながらドンやマイケルは既に故人となってしまっていていずれも早くに逝ってしまいました。悔やまれてなりません。
Key.Don Grolnick /Clif Carter
G.Hiram Bullock/Bob Mann/Jeff Mironov
B.Tom Kennedy/Will Lee/Marcus Miller
Ds.Peter Erskine/Steve Jordan
Ts.Ss.Michael Brecker