ゲストの音楽史を紐解きながら、演奏とトークを通して音楽への熱い想いが綴られた。2003年4月までに出演したミュージシャンは50人余。200曲超のトリビュートソングが捧げられた。
総合演出を担当した井上晃一は、テレビ番組の演出家である前に、高校時代のアマチュアバンドから活動を開始したミュージシャンでもあり、この番組の演出後、音楽プロデューサーとしても活躍した。「いつまでもアマチュアであり続けたい」と願う村上ポンタ秀一の音楽性を誰よりも深く理解し敬愛していた井上だからこそこの番組が産まれ、数多のミュージックラヴァーたちから愛された。
2013年11月23日、惜しまれつつこの世を去った井上晃一が作り上げた「ずっと好きな歌」を今、彼自身にトリビュートする。
この番組の全ての編曲を担当させていただきました。正真正銘”元祖”アーティストトリビュート番組です。
毎回取り上げるアーティスト、それをトリビュートするアーティストが違う為にかなり多岐に渡るジャンルの音楽に触れるとが出来ました。
一介のトロンボーン吹きが「ラモーンズ」「ドアーズ」「キングクリムゾン」「ケイトブッシュ」のようなアーティストを好きになったのはこの番組のおかげです。
今冬に惜しくも逝かれた演出家、井上さんの冴えまくった演出がこの番組を「予定調和」でない「イっちゃってる」「狂気な」作品にしていたと思います。BSデジタルでのOAだからこそなのかも知れません。
井上さんの進言もあり、オリジナルアレンジを忠実に再現するというよりも、かなりの変化球を投げさせてもらいました。(アーティストによってはあまりにオリジナルアレンジと違う為に歌うことが出来ず収録が大変だった時もあります。果敢に変化球を見事に打っていたかたは今でもアーティストとしての地位を確立し君臨しています。)
もちろんこの番組で書いた全てのスコアがアーカイブとして自分のPCに残っています。
間違いなく今の自分の音楽観を築いた仕事でした。こういう番組の復活を切望します。
http://www.bsfuji.tv/top/pub/zuttosukinauta.html