1.GNP
これは正真正銘SolidBrass編成。(BassやKbがおらず管楽器とドラムだけ)
ドラムは小田原豊君。
彼とは当時レベッカ関係でおつきあいがあった。
レベッカの「ラズベリードリーム」のレコーディングもホーンズとして参加。もちろん、その頃、僕はまだ大学生。
当時、大学の仲間に「米米クラブ」っていうより「レベッカ」と付き合いがあるといったほうが、尊敬された。(笑)
ゲストにギタリストCharさんを迎えた。
Charさんとは僕がまだ米米クラブのお手伝いをしていた時に、そこで知り合う。
彼はまだ米米クラブがメジャーになる前に、ドラマー(?)として遊びに来ていたりしたのだ。
このトラックでソロを弾いてもらう際に彼は「普段の逆だね?」と言ってました。
そうです、普段だったら伴奏に回るホーンセクションの上にギターがソロをする。
ちょっと面白いグルーブ感が出ました。
2.General Function
これもSolid Brass編成&小田原君。
いわゆる8ビート系。
チューバとバリトンサックスのベースラインが息継ぎがなくて大変。
3.Don't Hold Back
うって変わって、この曲はバンド編成に3管のホーン、そしてボーカル。
かなりグルービー。
ブラスも含めてかなりのお気に入りのトラック。
いわゆる「歌もの」をちゃんと書いた最初の曲。
かなり洋楽。
この曲のドラムの山木さんは、ここで初対面。
4.Donna Lee ~ The Chicken
この2曲のメドレーはキャッチーだったようで、その後、チキンは
学生さんのジャムセッションなんかでかなりポピュラーになった模様。
ご存知のとおり、ドナリーはチャーリーパーカーの曲。(マイルスは
「この作曲者はオレだ!」と豪語していたらしいが、ピアニスト、ビルエバンス作曲の「ブルーイングリーン」の件も含めて、明らかにマイルス作曲ではない)
チキンはジャコパストリアスが取り上げていたことで、彼の作曲と勘違いされやすいが、ジェームスブラウンのバンドのテナーサックス奏者ピーウィエリスの作曲。
ここでフューチャ−されるテナーサックス奏者のボブミンツァーさんは
このレコーディングしている頃にGRPビックバンドで来日中で、ジャコものをやるにあたり、是非ボブさんに参加してもらいたいと思って、評論家の小川隆夫さんにお願いしてアポイントをとった。
そこでボブさんはまず曲を聴かせてくれ、というリクエストがあったので早速別作業中の僕のレコーディング現場まで足を運んでいただき、音源を聞いた後、レコーディングを快諾。
後日、レコーディングダビングをしてもらう。
現場にいた竹野君たちは彼の生音を聞いて凍り付く。(笑)
これが縁で、機会があるごとにご一緒させていただくことになる。
5.Sak Sak
バンド編成曲。
今回のレコーディングは基本的には鍵盤奏者は招かないで、必要な部分は自分で演奏している。
この曲もそう。
そのかわりにこのトラックは「山弦」のお二人がツインギターとして参加してくれている。
佐橋くんと小倉君はギタリストとしてでなく、アレンジャー、プロデューサーとして我が国のポップス界の屋台骨を支えてきて久しい。
その後、Solid Brassがニューヨークのスイートベイジルで演奏をする時に、「自腹」で渡航して参加してくれる。(メンバーも)
6.Hidden Confession
この曲で初めてストリングスアレンジをした。
個人的にトロンボーンソロでのコードの運びが気に入っている。
その背景に、その頃おつきあいのあった、俳優、三上博史さんの自作の詩の朗読が入っている。
とはいってもあまり聞こえないでしょう?
それもそのはずで、聞こえないようにボリュームを下げてしまったから。
詩の内容が「殺人」とか「死」を連想させてしまう部分があったために
当時のディレクターさんの強い要望によってボリュームを下げざるをえなかった。
非常に残念。
この詩が埋もれた事によって、この曲の本来の形が崩れてしまった。
もっとも、このリクエストに応じないと、このトラックはお蔵入りといわれたので泣く泣く、このバランスとなった。
ちなみにこの曲のテーマ部分はバルブトロンボーンを使用。
7.Slip Sticks
この曲で正真正銘、山木さんと初対面。
出会い頭という事で、山木さん、ベースの美久月さんと僕の3人が山木さんが即席でつくった7/8拍子のループを鳴らしながら、なにも決めずにセッション。
しかも、スタジオの関係で僕だけが別のフロア(階)で。
そして3人同時よーいどん。
なのでコードもメロディも構成もすべて即興。
これを持って帰り、自分のその時に演奏を中心に「曲」として構築。
かなりタイトでクレイジーなトラックが出来上がった。
8.We Go Together
この曲はバンド編成でホーンは僕のトロンボーンのみ。
しかも歌もの。
歌は上田正樹さんとCHAKAさんのデュエット。
しかもお二人には別々の日にダビングにきてもらった。
上田さんはどうやっても「上田正樹」だった。(笑)
僕は以前から彼のファンで、この数年前に彼のバンドに参加することとなる。ラッキー。
9.Cross Town Traffic
これはジミヘンドリックスのカバー。
じゃがたらのEbbyとSolid Brassという編成。
そしてボーカルは桑田圭祐さん。
彼の参加は非常に周りを驚かせた。(僕も)
普通ではあり得ない参加だったが、当時、山弦さんたちがしきりに
彼に参加を勧めてくれたこと、レコード会社が同じだったということ
等の追い風が吹き実現となった。
ボーカルダビングもあっという間に終了。
残念なのは、この組み合わせで一度もライブをしていないということ。
10.Reason
天の邪鬼精神まるだしの曲。(笑)
楠瀬誠志郎の声をサンプルして和音やボイスパーカッションを並べた上にトロンボーンでメロディ。
曲調が僕っぽい。
アルバムのジャケットで映っているトロンボーンはキング2Bゴールドプレートだが、実際はすべてコーンのバルブトロンボーンのベルセクションにキングのイエローのスライドの組み合わせ。