2008年01月21日

SOLID BRASS II その弐

収録順にコメントをば。

1.GNP

これは正真正銘SolidBrass編成。(BassやKbがおらず管楽器とドラムだけ)
ドラムは小田原豊君。
彼とは当時レベッカ関係でおつきあいがあった。
レベッカの「ラズベリードリーム」のレコーディングもホーンズとして参加。もちろん、その頃、僕はまだ大学生。

当時、大学の仲間に「米米クラブ」っていうより「レベッカ」と付き合いがあるといったほうが、尊敬された。(笑)

ゲストにギタリストCharさんを迎えた。
Charさんとは僕がまだ米米クラブのお手伝いをしていた時に、そこで知り合う。
彼はまだ米米クラブがメジャーになる前に、ドラマー(?)として遊びに来ていたりしたのだ。

このトラックでソロを弾いてもらう際に彼は「普段の逆だね?」と言ってました。

そうです、普段だったら伴奏に回るホーンセクションの上にギターがソロをする。

ちょっと面白いグルーブ感が出ました。



2.General Function

これもSolid Brass編成&小田原君。
いわゆる8ビート系。
チューバとバリトンサックスのベースラインが息継ぎがなくて大変。


3.Don't Hold Back

うって変わって、この曲はバンド編成に3管のホーン、そしてボーカル。
かなりグルービー。
ブラスも含めてかなりのお気に入りのトラック。
いわゆる「歌もの」をちゃんと書いた最初の曲。
かなり洋楽。
この曲のドラムの山木さんは、ここで初対面。

4.Donna Lee ~ The Chicken

この2曲のメドレーはキャッチーだったようで、その後、チキンは
学生さんのジャムセッションなんかでかなりポピュラーになった模様。

ご存知のとおり、ドナリーはチャーリーパーカーの曲。(マイルスは
「この作曲者はオレだ!」と豪語していたらしいが、ピアニスト、ビルエバンス作曲の「ブルーイングリーン」の件も含めて、明らかにマイルス作曲ではない)

チキンはジャコパストリアスが取り上げていたことで、彼の作曲と勘違いされやすいが、ジェームスブラウンのバンドのテナーサックス奏者ピーウィエリスの作曲。

ここでフューチャ−されるテナーサックス奏者のボブミンツァーさんは
このレコーディングしている頃にGRPビックバンドで来日中で、ジャコものをやるにあたり、是非ボブさんに参加してもらいたいと思って、評論家の小川隆夫さんにお願いしてアポイントをとった。
そこでボブさんはまず曲を聴かせてくれ、というリクエストがあったので早速別作業中の僕のレコーディング現場まで足を運んでいただき、音源を聞いた後、レコーディングを快諾。

後日、レコーディングダビングをしてもらう。
現場にいた竹野君たちは彼の生音を聞いて凍り付く。(笑)

これが縁で、機会があるごとにご一緒させていただくことになる。

5.Sak Sak

バンド編成曲。

今回のレコーディングは基本的には鍵盤奏者は招かないで、必要な部分は自分で演奏している。
この曲もそう。

そのかわりにこのトラックは「山弦」のお二人がツインギターとして参加してくれている。

佐橋くんと小倉君はギタリストとしてでなく、アレンジャー、プロデューサーとして我が国のポップス界の屋台骨を支えてきて久しい。

その後、Solid Brassがニューヨークのスイートベイジルで演奏をする時に、「自腹」で渡航して参加してくれる。(メンバーも)

6.Hidden Confession

この曲で初めてストリングスアレンジをした。
個人的にトロンボーンソロでのコードの運びが気に入っている。

その背景に、その頃おつきあいのあった、俳優、三上博史さんの自作の詩の朗読が入っている。

とはいってもあまり聞こえないでしょう?

それもそのはずで、聞こえないようにボリュームを下げてしまったから。

詩の内容が「殺人」とか「死」を連想させてしまう部分があったために
当時のディレクターさんの強い要望によってボリュームを下げざるをえなかった。

非常に残念。

この詩が埋もれた事によって、この曲の本来の形が崩れてしまった。

もっとも、このリクエストに応じないと、このトラックはお蔵入りといわれたので泣く泣く、このバランスとなった。

ちなみにこの曲のテーマ部分はバルブトロンボーンを使用。


7.Slip Sticks

この曲で正真正銘、山木さんと初対面。
出会い頭という事で、山木さん、ベースの美久月さんと僕の3人が山木さんが即席でつくった7/8拍子のループを鳴らしながら、なにも決めずにセッション。

しかも、スタジオの関係で僕だけが別のフロア(階)で。
そして3人同時よーいどん。

なのでコードもメロディも構成もすべて即興。

これを持って帰り、自分のその時に演奏を中心に「曲」として構築。

かなりタイトでクレイジーなトラックが出来上がった。


8.We Go Together

この曲はバンド編成でホーンは僕のトロンボーンのみ。
しかも歌もの。

歌は上田正樹さんとCHAKAさんのデュエット。

しかもお二人には別々の日にダビングにきてもらった。

上田さんはどうやっても「上田正樹」だった。(笑)

僕は以前から彼のファンで、この数年前に彼のバンドに参加することとなる。ラッキー。


9.Cross Town Traffic

これはジミヘンドリックスのカバー。

じゃがたらのEbbyとSolid Brassという編成。

そしてボーカルは桑田圭祐さん。

彼の参加は非常に周りを驚かせた。(僕も)

普通ではあり得ない参加だったが、当時、山弦さんたちがしきりに
彼に参加を勧めてくれたこと、レコード会社が同じだったということ
等の追い風が吹き実現となった。

ボーカルダビングもあっという間に終了。

残念なのは、この組み合わせで一度もライブをしていないということ。



10.Reason

天の邪鬼精神まるだしの曲。(笑)
楠瀬誠志郎の声をサンプルして和音やボイスパーカッションを並べた上にトロンボーンでメロディ。
曲調が僕っぽい。


アルバムのジャケットで映っているトロンボーンはキング2Bゴールドプレートだが、実際はすべてコーンのバルブトロンボーンのベルセクションにキングのイエローのスライドの組み合わせ。


posted by YM at 23:07| 東京 ☁| ディスコグラフィ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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