1999年録音 35歳
この作品は間違いなく自分のアイデンティティの確認という意味においてとても重要な一枚。
ボクの大好きな音楽の中でFunkがありますが、Funkといってもその土地柄、ひとによって随分ニュアンスが違ってきます。
そこでボクの考えるFunkを、そのFunkを作り上げたオリジナルな人たちと一つのモノを作り上げられたら幸せだなと思い、このアルバムを制作しました。
レコーディングが全てアメリカで行なわれ、ボク以外は全員アメリカ人という構成です。
セッションは3つからなり、ニューヨーク、アトランタ、ロスの順番で行なわれました。
ボクの考えるFunkは大きく分けた場合、
・ジェームスブラウンを中心に繰り広げられたモータウン的なもの。(JB's)
・それらを継承しベイエリアで発生した白人で構成されたタワーオブパワーのようなもの。
(Tower of power)
・それらを踏まえ、Funkのビートのエッセンスにインプロビゼーションが展開されたもの。
(Electric Miles,Brecer,Marcus Miller,BrekcerBros)
とした。
なのでFunkという形態を表現するにあたり、どれか一つでも欠ける事は片手落ちだと思い、思い切ってこの3つのオリジナルの人たちと一線を交える事になった。
つまり、ニューヨークではコンテンポラリーなものをいわゆる、そういったタイプのミュージシャンと。
そしてアトランタでは、JB'sのリーダーだったフレッドウェズリーを中心にシンプルなファンクを。
ロスではベイエリアファンクの代名詞であるタワーオブパワーの結成当時のオリジナルリズメセクションの面々と。
これらのセッションは一度の渡米でレコーディングしており、1月中旬から10日間ほどでニューヨーク〜アトランタ〜ロスを渡り歩き全行程をそこで完結したのでさすがにハードスケジュールだったので、帰国後にはさすがにダウン。(笑)
=レコーディングメンバー=
村田陽一(tb,arr,comp)
■NYセッション■
Anthony Jackson(b) Hirum Bullock(g) Ricky Peterson(key) Don Alias(per) Pogie Bell(drs)David Sanborn(as)Bob Mintzer(ts)
■アトランタセッション■
Fred Wesley(tb) Clyde Stubblefield(drs) Jabo Starks(drs)Bruno Speight(g) Jason Bryant(B-3)Will Lee(b)
■LAセッション■
David Garibadi(drs) Francis Rocco Prestia(b) Donna Taylor(vo) Chuck Findley(tp) Greg Adams(tp) Bruce Conte(g) Chester Thompson(B-3)
このセッションはメールを通じてレコーディングの内容をメンバーとやりとりしていった。
その時のメールの一部がアルバムジャケットのインナーの壁紙として使われている。(非常に色が薄いのでよく見ないとわかりませんが)