2008年03月26日

トライローグ / Albert Mangelsdorff&Jaco Pastorius

2005年7月25日に亡くなったトロンボーン奏者アルバートマンゲルスドルフの最も多くの人に聞いてもらったであろうアルバム。

それは最も脂ののった時期のジャコの参加ということでトロンボーンファンのみならずジャコの動向を見守るジャコファンにとってもこのアルバムはとても貴重な記録だからだ。

このアルバムは1976年ベルリンジャズデイズにおけるライブ盤。この思いもつかないトリオを考案したのはプロデューサー、ヨハヒム ベーレント。このプロジョクトのいきさつはライナーノーツに本人が細かく書いていて非常に興味深い。それにしても単音楽器が3人集まっただけなのに豊かなハーモニーが聞こえるのはすごい。単音楽器奏者(特に管楽器)の中には彼らのように単音しか発音していないのに他の音やハーモニーが聞こえてくるプレイヤーがいる。例えばウェインショーターなどもそうだと思う。
これは彼らの持っている倍音構成の成分によるものなのか、または和声感覚が優れ立体的に演奏しようという意識のものなのかはわからない。とにかく和声的、立体的なサウンドなのだ。

本アルバムではすべてアルバートのオリジナルが演奏されている。すべてがアバンギャルドかといえばそうでもなくM2などはきわめてノーマルなコンテンポラリーな曲をインサイドなアプローチで演奏している。よく聞き込むとわかるが実に細かくアレンジされている部分と全く3人の出たとこ勝負の部分が見事に境目がなく自然に聞こえる。ライナーにも書かれていたが、ここセッションのために数日間毎日6〜7時間リハーサルをしたそうだ。今回収録されている5曲の他に数曲準備していたとしてもせいぜい7、8曲の曲数をこれだけ時間をかけるのは結構珍しいことだと思う。アルバート自身、フリージャズの雄ということですべてが即興(その場のフリーフォーム)なのかと思いがちだがより現場で面白い即興が生まれるような楽曲を準備するという意味ではかなり曲を構築していくタイプだということがわかる。(晩年、ビッグバンドに提供したスコアを見れば明らかにそうであることを再発見できる。)

今回のこの3人が実に音楽性の幅広さ、技量のバランスがとれている。この三角形(トライアングル)がいびつだとこのようなサウンドには絶対ならないであろう。また、この高度な3人だからこそ、沢山の時間を費やし同じ曲を練習しても毎回が新鮮で楽しく飽きること無く出来たのだろう。

とにかくあらゆる意味でお手本となるべきドキュメントだろう。






posted by YM at 12:26| 東京 ☀| レコメンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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