2008年03月27日

That's the Way I Feel Now: A Tribute to Thelonious Monk / various artists

いわゆる世間で言うところのセロニアス・モンクをトリビュートした、コンピレーション・アルバム。ハル・ウィナーという人が、トータルのプロデュースをしていて、曲ごとにいろんなミュージシャンがセッションをして、ジャズ・ピアニスト、セロニアス・モンクの曲を演奏するというもの。この人は、この後にも何枚かこういうコンピレーションとかトリビュートものを作っている。たとえばディズニー・トリビュート。それにはスティングが入っていたりして、「この人どういう人脈?」みたいなキャスティングをしている。ハル・ウィナー自身の顔は出てこないんだけど、すごくセンスのいい人だっていうのがわかるね。後になってくると彼自身も演奏していたりするんだけど、このアルバムはまるっきりのプロデューサーとしてやっている。

実は一度、彼の仕事をしたことをあるんだ。それは、トランペットの三宅純さんが作ったCM音楽かなんかをハル・ウィナーが聴いて気に入ったみたいで、彼のプロデュースで三宅さんの作品を作ったときに呼ばれて吹いたんだよね。三宅純さんの作る音楽はボーダレスですごくいいものがあって、僕はよく呼ばれて行くんだけど、彼は日本には数少ない、真の優秀なミュージシャン、アーティストだと思う。

今、思い出したけど、このアルバムをそもそも一番初めに聴いたのが、じゃがたらの江戸アケミが亡くなる数ヶ月前だった。元々、モンクの「リフレクション」という曲がすごく好きだったというのもあったんだけど、彼が亡くなって自分なりに考えるところがあった。で、新宿のピットインでまだ朝の部をやっていたころ、お葬式の前日かな、自分のバンドのライブがあったのでこの曲を演奏したんだ。

でも、このアルバムを買った当時は、僕はハル・ウィナーをよく知っていたわけでもなく、なんでこのCDを買ったんだろう?・・・そう、ドナルド・フェイゲンが好きだったんだ。で、ドナルド・フェイゲンが他の人のアルバムでやることってあまりないでしょ。それが入っているから買ってみたら他の部分でも興味深いところがあった。とにかくスティーブ・カーンとドナルド・フェイゲンがやっている「リフレクション」(3曲目)がすごく好きで、今でもこの曲はよく演奏する。他にもラインナップがおもしろくて、ドクター・ジョンの曲(4曲目)が入っていたり、スティーブ・レイシー、チャーリー・ラウズというジャズの有名な人の曲(5曲目)とか、ギターが3人いたりする(6曲目)のとか、フレンチ・ホルンをいっぱい使っている曲(7曲目)とか、トッド・ラングレン(10曲目)、ジョー・ジャクソン(11曲目)、ランディ・ウェストンというジャズの人(14曲目)、カーラ・ブレイ(15曲目)等々・・・とにかく妙な組合せのゲストがいっぱい入っていてキャスティングの意外性が実におもしろい。

ただ結論としては、セロニアス・モンクはどうやってもセロニアス・モンクなんだってことになってしまうかな。いろいろな人がカバーをして、いろいろ奇をてらったアレンジをしたりしても、結局はセロニアス・モンクの曲の色が前に出てくる。彼のすごさはそこで、誰がどんなアレンジをしても、曲の強さに引っ張られてしまうところだと思う。アレンジしがいがない、というか、どうしようもない。だから曲をいじるというよりは、変わった編成でやるしかないのかな。ギターが三人いたり、フレンチ・ホルンをたくさん使ったり、トッド・ラングレンが打ち込みだったりね。まぁ、このアルバムを聴いて、普段セロニアス・モンクをあまり聴かない人が興味を持ってくれたら、それで作品としては成功なんだと思うけどね。






posted by YM at 02:59| 東京 ☁| レコメンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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