2008年03月31日

BIRD:The Complete Charlie Parker / Charlie Parker

チャーリー・パーカーって、今の時代から見るとオーソドックスだけど、その当時はプログレッシブだったよね。20代の半ばぐらいの頃は、俺、大嫌いだったの。教則本、バイブルというのか、正統派な感じでね。こういう時にこういうフレーズを吹かないとジャズじゃないよ、みたいなところがあって。喋る言葉、フレーズが決まっているのが、自分にとってすごい窮屈で、ちょっと聴いてみて嫌だと思ったから、それ以降全然聴かなくなっていたんだ。

チャーリー・パーカーへのそんな気持ちが変わったのは、NYでのちょっとしたことがきっかけなの。オルケスタ・デ・ラ・ルスでやっていた頃、メンバーみんなで自腹でNYに行くことになったんだ。ただでいろんなクラブとかまわって演奏しようって感じで、地元のサルサクラブに行ってね。
朝までやっている場末のキャバレーみたいなところで、みんな踊りが目的で来るから、演奏なんて全然聴いてないわけ。がっかりするでしょ。お金がもらえるわけでもないし、演奏なんてろくに聴いてない奴らのために演奏してさ。それで演奏を終えて、朝6時ぐらいに安いモーテルに帰って、バイキングみたいなの食べて、朝の7時ぐらいに寝る。そんな生活でさ、徹夜とかもそんなに好きじゃないし、なんだか日々泣きそうになってたんだよね。そんな時、ふとラジオをつけたら、チャーリー・パーカーがかかっていた。それが、心にがつーーんときたんだよね。音にすごい魂があった。彼は、自分は何がしたいのか、ってことを音ではっきり主張していた。
今までは、お勉強のための音楽、って思って嫌っていたけれど、その時、違う、って思ったんだ。NYで泣きそうな生活していて、自分は何のために音楽をやるんだろう、何がやりたいんだろう、なんてことを思っていたところで、たまたま流れていたチャーリー・パーカーにすごい衝撃を受けた。あっジャズだ、俺はこれをやるんだ、やりたいんだ。その瞬間にそう強く思ったんだ。その時流れていたのはローラっていう曲だったんだけど、それ以来彼のほかの曲も聴くようになった。

自分はリリカルな人がすごい好きみたい。
若い時は、メカニカルな点、早く吹けるとか高い音が吹けるとか、そういうことに興味を持っていたけど、この時のNYの頃あたりから、歌心というものにすごい興味がいくようになった。そんな自分にとっての転機になったという意味でも、印象深いプレイヤーだね。このアルバムはぎっしり彼の曲が詰まっているのでお薦め。




posted by YM at 18:05| 東京 ☀| レコメンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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