2008年04月01日

LADY IN SATIN / Billie Holiday

これは、すっごく落ち込んだ時に聴いて、もっともっと落とされる・・・そんなアルバムです・・・。楽しみ方は2通り。
ひとつめは、最初に言ったように、落ち込みたい時に聴いて、徹底的に落ち込むというもの。もう夢も希望もない感じにまでもっていかれちゃう。ふたつめはね、トロンボーンをじっくり聴いてほしい。トロンボーンが間奏のソロをいっぱい吹いているの。普段こういうのはあまりやらないことだから面白い。それも、トロンボーンがふたりいて、一人は黒人、J.J.ジョンソン。ジャズのトロンボーンはこの人が作ったんだよってほどの人。もう1人は白人、アービー・グリーン URBIE GREEN 。その二人が曲によって、それぞれ間奏を吹いている。これは、トロンボーンを吹く人にとっては、ものすごいお手本になる!ふたりの個性が際立っていて、とても分かりやすいから。
アービーの方は、派手。感情をあらわにする吹き方なんだ。色っぽくて、歌う感じ。それに対してJ.J.ジョンソンは、無口で地味。アービーみたいに派手な感じはなくて、演奏が淡白なの。それに、アービーはビブラートをかけるんだけど、JJジョンソンは全然かけていない。
12 曲中4曲にトロンボーンのソロが入っている。普通ならトロンボーンは1人でもいいのに、わざわざこの2人を起用して、吹き分けているっていうのも面白い。プロデューサーがそういう使い方をあえて狙ってやったんじゃないかな。トロンボーンも歌と一緒でものすごい個性が出てくるものだから、それをあえて対比させたというところのかな。アービーはスタジオミュージシャンタイプ、JJジョンソンはいわゆるアーティスト肌の人、とかなり違う個性の持ち主の2人だけれど、僕は、トロンボーン奏者で誰が好きですかって聞かれたら迷わずこの二人を挙げます。

トロンボーンの、歌の中のソロを見つけることって、すごい大変。そういう意味では、すごく特殊なCDだと思う。自分もトロンボーンをやっている人から、これは聴いておけよって言われて聴いたのが最初。トロンボーンを吹く人にとっては、このアルバムはマストアイテムです。絶対聴け!!

・・・もちろんトロンボーンは素晴らしいんだけど、それと同じぐらいいやそれにも増して、かな、歌もすばらしいよ。どんどん切なくなっちゃうの。ネガティブになるんではなくって、沈んでいっちゃう感じ。人生とは何ぞや・・・ってとこまでいっちゃう。ビリー・ホリデイって人も、テクを駆使して歌うっていうよりは、普通に歌っている。コブシを聴かせて歌うというわけでもなく、ね。でもテクニカルに走るんじゃない方が、伝わり方はストレートでしょ。演じている人が、押し付けがましくなっているより、一歩退いたところで歌ったり演奏したりしている方が、聞き手には伝わるからね。これは彼女の晩年の作品でもあり、彼女のそれまでの苦悩がすべて注ぎ込まれたような、そんな声が聴ける。とにかくとことん落ち込みたい時には自信を持ってお薦めできるアルバムです・・・(笑)




posted by YM at 20:51| 東京 ☀| レコメンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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