2008年04月02日

Reverence / Richard Bona

ボナは西アフリカのカメルーン出身。
もう10年以上に日本でワールドミュージックが流行った頃、サリフ・ケイタ(SalifKeita)などアフリカ系アーティストが人気だったんだけど、ボナは、パリに出てきてから、サリフ・ケイタ・バンドでやったりもしていた。これは余談になるけど、サリフ・ケイタとボナがまだ一緒にやってはいない頃、JAGATARAとサリフ・ケイタが共演したことがあって、ホーンを僕が書いたんだ。この曲はサリフ・ケイタのアルバムでもリカバーされて、俺の書いたフレーズをそのまま使ってくれているんだよ。その頃俺は、実を言うとアフリカの音楽にはあんまり興味がなかったの。アフリカの音楽ってはねる感じで、ジャズも昔は゛はねる゛のが中心だったから、なんだか古臭い気がして、そんなに深くは興味を持てなかった。

2.3年前に、渡辺貞夫さんのコンサートで、ボナが来たんだ。その時、僕はホーンのアレンジと演奏で参加したんだけど・・・すごかったんだよー。何がすごいって、ボナのベースがものすごく上手っていうのもすごいんだけど、たいがいの人は、楽器が上手だとそればかりがクローズアップされるだけでしょ。ボナの場合はもっと「大きい」の。ベースだけでなく、歌も上手いし、曲もいいのを書くし、パーカッションもうまいし、、、そうなると普通は器用貧乏ってことになるけど、彼は違う。すべてイコールなんだよね。歌でも楽器でも、自分を表現するツールにすぎないわけ。その上に自分のやりたい音楽があるから、決して器用貧乏には見えない。

NYの人ってすごく新しいもの好きで、話題の人を使いたがる。ボナもすぐ話題の人になって、あちこちで使われるようになったけど、彼の場合はそれだけじゃなくて、パット・メセニーとか重鎮が彼のアルバムに自ら参加している。それも重鎮の方から参加したがってね。普通大物が参加すると、それぞれがサウンドカラーを持っているから結構大変なものなんだけど、ボナはそんな中でも自分の色が出せちゃう。

ジャコ・パストリアスが抜けて、ウェザー・リポートが解散した後、ジョー・ザビヌルがザビヌル・シンジケートというバンドを作った。ベースがビクター・べイリー (Victor Bailey)だったり、サウンドもアフリカンっぽい感じのバンドでね。そこで、ジョー・ザビヌルが、ボナをピックアップしたのね。ジョー・ザビヌルは、ボナをジャコとだぶらせてる部分もあるみたい。ボナにとってジャコ・パストリアスは憧れでもあったわけだし、周囲からの「ジャコの再来」なんて声もある。でも、ボナはジャコなんかよりよっぽどうまいんだけどね。とにかくザビヌール・シンジケートにおいてのボナは、天才ベーシスト。

すごいベースがいるぜっていう話になって、デモテープを聴いてみたら、歌も上手いし、曲もうまいし、アレンジもいいしで驚いた。このアルバムREVERENCE も、CD屋の試聴コーナーで聴いて、あまりにすごすぎて、ちょうどその時自分に元気がなかったから、なんか買えなかった。そのぐらいすごいんだよね。 MBANGA KUMBAっていう曲を聴いた時、ストリングス、金管楽器も入っていて、やられたーーと思ったのね。この音はちゃんと研究していて、分析している人しか書けないものだから、ボナがここまでやってたらどうしようと思った。そしたらボナじゃなかったから、あぁよかったって安心したよ。
ボナは研究とか分析とは真逆の、感性でやる人だからさ。

ある意味、人をひっぱっていくタイプではないから、利用されないといいなぁと思う。しかし、ずるいよね。とりあえず声とかさ、ずるいでしょ。ポンタ氏も自分のメルマガで、ボナのことを「卑怯者」呼ばわりしているらしいけど(笑)、でもホント卑怯なんだよね。渡辺貞夫さんもね、ボナをプロデュースした時に、やっぱり嫉妬したって言っていたよ。日本語で嫉妬っていうと本意が伝わりづらいかもしれないけど、「jealousyを感じた」ってことね。ミュージシャン達がみんなジェラシーを感じてしまう存在、それがボナなんだろうね。

Beyond Words / Bobby Mcferrin
ボビー・マクファーリンって今まであんまり好きではなかった。妙にうまくて、小器用で、っていうイメージだったから。でも、このアルバムは、リチャード・ボナが参加していることで、かなりアフリカンなテイストが出ていてよい!シミる感じ。器用な人だから、今までもジャズミュージシャンとの即興的なコラボレートは多かった。このアルバムに関しては、瞬発力はないけれど、じわっとくる感動。それは本当は、偏に、ギル・ゴールドスタインによると思うところもあるんだけどね。





posted by YM at 16:03| 東京 ☀| レコメンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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