実に便利な世の中になったもので、最近ではレコーダーで録画したTV番組をスマホに転送して、それをwifi環境とか一切関係なく外出先でその動画を見れるようになって、ボクもそれを大いに利用しています。ちょこっとした空き時間や独りでの長い電車、飛行機の移動には最適で重宝しています。
いろんな類いの番組を録画しているのですが、音楽ものは皆無で寧ろ昔の再放送を見ています。
その中でもハマっているのが「太陽にほえろ!」です。しかも黎明期(1972年(昭和47年)〜1974年(昭和49年))と言われているジーパンが出演している頃が好きです。ボクが小学生の頃リアルタイムで放映していたのですが、子供ながらに「ザワザワしてホコリっぽくて、暗い」匂いを感じていました。
当時はジーパン役の松田優作、殿下役の小野寺昭達のスマートさがカッコいいと思ってましたが、今自分が50歳を過ぎて改めて観直してみると、山さん役の露口茂、長さん役の下川辰平が断然、群を抜いてカッコいいと感じます。ホントにカッコいいのですよ!自分が恐らく彼らが演じていた年齢を越してしまったからかも知れません。この40年間で色んな「価値観」を身につけたということでしょう。
40年前の町並み、クルマ、ファッション、言葉遣い、などの風俗もとても興味深いです。
そしてもちろんサウンドトラックも素晴らしいです。
元スパイダースの大野克夫作曲で演奏は彼も参加している井上堯之バンドが担当しています。
昨今流行、主流になりつつある管弦が強調されたオーケストラ編成でなく全編リズムセクションとサックスひとり、もしくはトランペットひとり(ホーンはセクションとしてではなくあくまでソロ楽器扱い)というシンプルさなのに、各シーンにピタッとはまるかんじはスゴい。無駄がないんですね、スコアに。バンドでよーいどんてなカンジであまりダビングをしてないのが功を奏しているのだと思います。
というかそのころはまだマルチトラックでのレコーディングシステムがコンプリートされていないからダビングという文化があまりなかったのかな。大編成も2チャン同録という時代だったでしょうし。
無駄な音同士がそれぞれをマスキングして結局、オケが濁って団子になってしまいがちな昨今のトラックメイキングをは全く違うということも分ります。
いい意味で映像に音が日和っていないのだけれども、音と映像がこのシンプルな編成で見事にシンクロしているのでスゴくビックリ。
目下、その秘密を解析中です。
このドラマの劇伴作家、大野克夫さんを制作に紹介したのが萩原健一だというのも興味深い。
(ここに登場する方々はボクが憧れの方々ゆえ、敢えてファン目線で敬称略とさせていただきました。)
「太陽にほえろ!」に限らず、小学生だったその頃、初めて積極的に「音楽」を意識したのはそのあたりのTV番組のテーマソング、エンディングソング、劇伴だったりします。
当時からボクはちょっと変わっていて、番組最後に流れるスタッフロールをチェックするのが好きでした。「この番組はどんな人がどうやって作っているんだろう?」という好奇心からでした。だから劇伴作家、演奏家の名前にもとても興味があったので、自分がプロになってその方々のお仕事をさせていただけた時は感無量でした。なんたって「宇宙戦艦ヤマト」の劇伴はドラムが村上ポンタ秀一さんだったわけですしね。つまりボクが小学生の時には既にポンタさんの名前を認識していたわけです。
「Gメン75」なんて番組はタイトル通り1975年辺りの番組だと思いますが、そのエンディングソングテーマ「面影」をのちに中森明菜さんのカバーアルバムでアレンジしたときは自分なりに作品に対してオマージュしました。結果的にレコーディング当時活動していトロンボーンカルテット「4 Bone Lines」を大々的にフューチャーしたバックトラックにアレンジしました。
こうやって思い起こすとある意味、自分の音楽の原点は「劇伴」なのかぁと思います。おかげさまで色んなアレンジ仕事に携わらせていただいている割には劇伴を書くチャンスがなかなか訪れないのもちょっと残念でもあります。
posted by YM at 19:55| 東京 ☀|
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