2015年04月15日

TIME AND RIVER / David Sanborn

「今作ってる最中でもうじき完成するから待っててね」というそば屋の出前みたいな噂を巷で聞いてから数年して、ようやくDavid Sanbornの新譜がリリースされました。
タイトルが「TIME AND RIVER」。だからってジャケットの「川」ってのは如何なものか?
しかもこのフォントで。
日本人の私の美意識とはかなりかけ離れているジャケットですが、肝心の「音」の内容はとにかく素晴らしいです。というか僕の美意識のどストライクゾーンで す。さすが彼の朋友マーカスミラーのプロデュース。レコーディングメンバーはかなり一新されていて若いミュージシャンが投入されてます。
ご本人の演奏はいい意味で淡々としていて、それを包み込むサウンドデザインが素晴らしい。木管アンサンブルの使い方もとても上品。うん、かなり上品な作品。大人向け。
大推薦。



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2014年09月20日

TRAD/竹内まりや

3曲演奏で参加させていただいております。
1曲目の「縁(えにし)の糸」ではソロを吹かせていただいておりますが、ご本人にもこのソロを気に入っていただけているようで嬉しい限りです。
まりやさん、達郎さんのアルバムは、どのアルバムも丹念にサウンドを練り上げていつまでも色あせることがありません。歌も素晴らしいがそれを支えるサウンドも素晴らしい。



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2014年03月21日

MASTERPIECES by ELLINGTON / Duke Ellington

エリントンが自身の代表曲をLPレコーディング用にリアレンジしたアルバム。つまり前作よりも1曲を長尺でレコーディング出来る為に長尺に書き直したものが収録されています。
SP時代は3分間という制限があったのがLP(12インチ)ということでここでは1曲8〜13分という長尺が実現しています。
エリントン楽団特有の個性豊かなソリストのパフォーマンスも聴き所ではありますが、それ以上にいつも以上に緻密なエリントンのペンが冴えまくっています。どの曲もメロディの素材としてはシンプルですが、それを薄めて伸ばしているのではなく、逆に更に濃厚な「楽曲」にしているエリントンは素晴らし過ぎます。

1950年のレコーディングであるということも驚きです。
もはや「芸術」の域ではありますが、「ポップさ」も兼ね備えとても「色っぽい」アルバムです。

彼の片腕であるビリーストレイホーンがアレンジのどこまで加担しているかも非常に興味深くもあります。

超お薦め!!!!!!



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2014年02月11日

LOGICOOL ウルトラスリム キーボード ミニ ホワイト TM715WH

iPad mini用のキーボードです。びっくりするするくらい文字入力が楽だしケースカバーとしても本体との一体感が素晴らしくて、まるでこういうPCがあるの?ってくらいです。超お薦め!



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2013年12月04日

UP by Jawbone ライフログ リストバンド

これを使ってから運動不足の改善や睡眠の管理が出来るようになりました。
特に毎日の睡眠の質が解るのが画期的です。



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2013年10月08日

Piazzolla!/Orchestre National de Jazz and Daniel Yvinec

パリの国立ジャズオーケストラONJ(Orchestre National de Jazz)のピアソラ作品を中心に取り上げた作品。
ONJは過去にも定期的に意欲的な作品を作っているが、どの作品も素晴らしい。作品ごとのコンセプトによりメンバーも編成もアレンジャーも流動的で今回はギルゴールドスタイン。
編成は木管5人、金管1人、フェンダーローズ、ギター、ベース、ドラム。

悪いはずがない。とても計算されつつも表現の幅がとてつもなく広い。もはやジャズはヨーロッパが最先端のような気がする。

なかなかマイナーなレーベルなので流通している間に購入をお薦めします。




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2013年10月03日

The Pharaohs / Awakening

1970年初頭にレコーディングされたアフロジャズファンクバンド「ファラオズ」
後のアーズウィンド&ファイヤー(EWF)のホーン隊が中心となって結成されたこのバンドはアフロビートが基調になっているサウンド。EWFのリーダー、モーリスホワイトも在籍していたこともあり、EWFのサウンドがこのバンドの影響を強く受けているということを証明するアルバムでもあります。
こんなアルバムが今の時代になって発売されるなんて何て良い世の中なのだと思う。



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2013年07月02日

音楽の基礎/芥川也寸志

今回の旅のお供でした。初版が1971年なのですが今抱えている音楽に関わる諸問題を既に指摘しています。



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2013年05月07日

7 Classic Albums

最近Amazonで見かけて、ある意味格安さにゾッとするシリーズです。ジャズに限らず様々なジャンルに於いて
各アーティストのソロアルバム7、8枚を4枚組にまとめて1000円前後で販売してるのだから驚いて当たり前です。もちろん安さには根拠があって、それはライナーノーツがなかったり、CDラベルがお粗末だったり、紙ジャケットの中にダイレクトにCDが入っていたりしています。CDのプレスに関しての情報がないので、もしかしたら音質が通常板よりも劣るかも知れません。(そうじゃないかも知れません)
でもそれ以上に一人のアーティストを浮き彫りにするには十分な資料となります。食わず嫌いだったアーティストがこれで好きになるかも知れません。

この価格破壊によって益々ジャズの国内盤は売れなくなってしまうでしょう。でもこういう事態は必然ののことだと言えます。こんな時だからこそきちんとオリジナリティを持つ、と言うか作者のアイデンティティがキチンと見えるものを作るべきだと思います。もはや西洋文化の模倣から始まったものであっても、模倣の延長ではなく、模倣から派生していったとはいえ、そこにアイデンティティを投入して自分のカタチを作ってこそ、「アーティスト」と呼ばれるに値すると思います。

巷で耳にする「アーティスト」という意味の殆どは本来の「アーティスト」とは違うものですよね?それは皆さんも薄々感じていると思います。このような使い方って日本特有のような気がします。

ということで今回の戦利品です。

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そしてお薦めトロンボーンです!











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2013年04月26日

LOTTORP ロットルプ 時計/タイマ−/アラ−ム/温度計

これ使ってるけどめちゃ便利!



ちなみにボクはIKEAで350円位で購入。



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2013年03月21日

Big Band Man-the Mps/Peter Herbolzheimer

ヨーロッパを代表するトロンボニスト、ペーター・ヘルボルツァイマーの1970年から78年までの間にMPSレーベルからリリースされた7枚のアルバムの7in4(4枚組)です。彼のビッグバンドサウンドの近年のレパートリはジャズスタンダード曲が中心となっているのが多い様ですが、この頃は彼のオリジナル曲やポップスやフュージョンの有名曲を16ビートを中心に演奏しています。ジャズオーケストラというよりかなりポップでモンドっぽうサウンドでBSTやドリームスのようなサウンドが好きな方にはたまらないと思います。ポップといえども結構尖ってます。とてもファンキーですがそこはかとなくヨーロッパ独特のサウンドも加味されてとても面白いです。また若きしの jiggs whigham, bart van lierも参加しています。




ちなみに私がペーターを初めて知ったのはこの1977年の Gala big band concertでのFranl Rosolinoとの共演の「Nica's Dream」です。



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2013年02月15日

「泣くな、はらちゃん」オリジナル・サウンドトラック/井上 鑑

長瀬智也主演の日本テレビ2013年1月期土曜ドラマ『泣くな、はらちゃん』のオリジナル・サウンドトラック。音楽はキャプテンこと井上鑑さんが担当。私もトロンボーンとユーフォニアムを演奏しています。今回特殊奏法もふんだんに取り入れて演奏させてもらっています。

とにかくアキラさんワールド満載です。いわゆる普通の「劇伴」とは一線を画しています。変拍子も満載です。参加ミュージシャンも幅広いです。



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2013年02月12日

間抜けの構造 (新潮新書) /ビートたけし

色んなシチュエーションにおける「間」についての話がとても興味をそそりました。
同じ内容のものでも、それをどのタイミングで置くかで全く意味が違ってくるし、「間」というのは常に「対象物」ありき、逆に言えば「対象物」がある処には常に「間」が存在するということだと思います。
例えばたけしさんは「監督」と「俳優」との対比で述べていましたが、我々的には1つの演奏でもバンマスと個々のプレイヤーとではそれぞれの「間」の考え方が違うということと同じことだと思います。
「間」をコントロール出来るか否かで結果が違ってくるというのは必至です。

語り口が「やさしい」のでうっかり軽く読んでしまいそうですが、かなり「生き方」に関して核心をついた書だと思いました。

お薦めです。




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2012年10月08日

Soul Classics / Maceo Parker with WDR bigband

2011年11月、イタリアでのライブ。
ソウルクラシックをWDR bigbandを従えての演奏はso funky!
ドラムはプリンスのバンドの女性、コーラ・コールマン、(エレキ)ベースはクリスチャン・マクブライド。
アレンジはマイケル・アビネ。

WDR bigbandはご存知の通り西ドイツのビッグバンドで様々なアーティストとのコラボレーションで有名ですが、それを支えるアレンジャーの存在が非常に大きく、ヴィンス・メンドーサもこのバンドを支えるとても重要な人物だが彼の緻密で現代音楽にも通ずるサウンドとは対照的にここでのマイケル・アビネのアレンジはストレートでとてもダンサブルなものになっています。

こういったソウルミュージックを西ドイツのミュージシャンがよりアメリカンでファンキーなサウンドを奏でていることに驚くとともに、ヴィンスや今回のような全くカテゴリーの違うスコアをどちらもとても高いクオリティの演奏を提供するWDR bigbandのメンバー達のボキャブラリーの豊富さに脱帽です。

とにかく理屈抜きで楽しめるファンキーなアルバムです。
もしもこのステージにフレッドやピーウィが一緒に立っていたとしたら更にものすごいことになっていたでしょう。



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2012年05月20日

Hearts And Numbers / Don Grolnick

1985年にリリースされたピアニスト、作編曲家、プロデューサーであったドン・グロルニックの初リーダーアルバム。全面的にマイケル・ブレッカーをフィーチャーしています。ブレッカーブラザーズとしてのリリースはあるものの当時まだマイケルがソロアルバムデビューとしていなかったためにクラウス・オガーマン「City Scape」とともに裏・マイケルソロアルバムとの名も高い作品です。
このアルバムは白熱した「生」の熱いカンジというよりはシンセサイザーや打ち込みの比率が高いためか、発売当時の私の印象はクールなサウンドでした。

その後、次々とマイケルのソロアルバムを中心にドンは多くのオリジナル曲を発表していくわけですが、その中で当時のニューヨークのコンテンポラリージャズミュージシャンが彼の曲を取り上げる機会が増えていきます。それほど彼のオリジナル曲は先端を行くミュージシャンにとって魅力的だったのだと思います。

話しは戻り、このアルバムは派手さがあまりない極めて内省的なものだと言えます。そのせいか、最初に聴いたインパクトは無いものの、聴けば聴く程じわじわ自分の心に沁み込んできます。気がつくと自分の中でこのアルバムの存在感が大きくなっています。

その後、ドンはブルーノートではよりアグレッシブなジャズ、そしてアフロキューバンサウンドのアルバムをリリースしていきますが、このアルバムこそが彼のリリシズム、繊細さを強く感じることの出来るアルバムだと思います。



残念ながらドンやマイケルは既に故人となってしまっていていずれも早くに逝ってしまいました。悔やまれてなりません。

Key.Don Grolnick /Clif Carter
G.Hiram Bullock/Bob Mann/Jeff Mironov
B.Tom Kennedy/Will Lee/Marcus Miller
Ds.Peter Erskine/Steve Jordan
Ts.Ss.Michael Brecker

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2012年05月04日

Scenes from a dream / Chris Minh Doky

ベトナム人の父とデンマーク人の母を持つベーシスト、クリス・ミン・ドーキーの2009年に録音されたアルバム。ラリー・ゴールディングス、ピーター・アースキンとのトリオにヴィンス・メンドーサの編曲によるメトロポールオーケストラが背後を固める。オーケストラが全面に出ることはなく、ピアノトリオの空間を生かした抑制の利いた素晴らしい作品。デンマーク民謡やベトナムの歌も収録されているが、彼が育って行く過程で意識せざるを得なかったであろうアイデンティティの象徴のようにもとれるこれらのトラディショナル曲は彼のフィルターを通して素晴らしい仕上がりになっている。とにかく内省的で美しく深いアルバムだ。



1999年に発表された「Minh」というアルバムでの参加ミュージシャンが
デイヴィット・サンボ−ン(as)
マイケル・ブレッカ−(ts)
ランディ・ブレッカ−(tp,vo)
レニ−・ホワイト(ds)  マイケル・ブラント(ds)
ハイラム・ブロック(g)  マイク・スタ−ン(g)
デイヴィット・ギルモア(g) 
ジョ−イ・カルデラッツォ(p)
リッキ−・ピ−タ−ソン(key) ジム・ベア−ド(key)
レイラ・ハサウエイ(vo) ダイアン・リ−ブス(vo)
というような布陣でもわかるように、とてもポップなコンテンポラリーなジャズサウンドになっている。
つまり彼は「Scenes from a dream 」のようなシリアスでアコースティックなジャズと「Minh」のようなキャッチーでポップなサウンドをアコースティックベースで表現出来る希有なミュージシャンだと断言出来る。



「Scenes from a dream」はとにかく繊細で1音1音を大事に演奏しているということがわかるアルバムで、これほど1音1音が「意味」を持つ演奏もめずらしい。故に静かな空間で一人でゆっくり聴いて欲しい。

再度言うが、こんな美しくて内省的なベーシストのアルバム聴いたことない。

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2012年04月23日

Radio Music Society / Esperanza Spalding

2011年にグラミー最優秀新人賞を獲得したベーシストでありボーカリストであるエスペランサの3作目。最近聴いた新譜ものとしてはダントツに大好きなアルバムです。耳障りがいいが決してイージーではなくとても上質です。キャリアのスタートはジャズベーシストとしてです。また彼女がベーシストとして影響を受けたミュージシャンにデイブホランドを挙げたりウエィンショーターを尊敬していると言って憚らないあたりは、彼女はかなり気骨があり、ちょっとクセのあるミュージシャンだということが判ります。ある種ホランドはジャズという分野においても玄人うけするタイプで「内省的」「地味」という印象を持ちますが、彼女のサウンドはいい意味で「ポップ」だと思います。
全ての曲の編曲と12曲中の10曲が 自身による作詞・作曲ということでプレイヤーとしての資質もさることながらライティングのセンスの良さも特筆すべきことです。
本作はかなりR&B寄りのサウンドなので本作を聴いて彼女のキャリアを知ると驚くでしょう。



BGMとして聴きたい方から「音楽うるさ型」まで全てのリスナーを満足される最近稀な素晴らしいアルバムだと思います。

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2012年03月22日

セロニアスモンクのラージアンサンブルもの2枚

セロニアスモンクは誰もが認めるユニークでオリジナリティ溢れる希有なジャズピアニストであり作曲家ということは改めて言うまででもありません。
彼の作曲した曲は実に個性的で彼以外のどんなミュージシャンがどんな形態でどんなアレンジで演奏しようとも「モンク」っぽくなります。なので彼の曲はスタイリッシュという表層的な次元ではなくもっと根幹的な部分で個性を出しているように感じます。彼の日頃の演奏と曲は密接的な関係にあると思います。

モンクは沢山の傑作を世に出していますが、個人的には彼のソロ(独奏)作品が大好きです。それは純度100%モンクだからです。実際、他のジャズピアニストよりもソロ作品が多いのは本人の意識によるものも大きかったのではないでしょうか?もちろんピアノトリオやフロントに1〜3人の管楽器を配する編成でも十分彼の演奏、楽曲の「旨味」を出すには十分だったのだと思います。

モンクのアルバム作品を見た時に、2枚だけラージアンサンブル(大編成)ものがあります。これはちょっと他の作品とテイスト、コンセプトが違うのでなかなか彼の代表作として取り上げることはないのですが、別の角度から、つまりモンク本人が演奏する「モンクの作品集」として着眼するととても興味深い作品だと思います。

その作品とは「The Thelonious Monk Orchestra ar Town Hall」と「Monk's Blues」です。

「The Thelonious Monk Orchestra ar Town Hall」はタイトル通り1959年タウンホールでのライブレコーディングです。チューバやフレンチホルンを配した、ギルエヴァンスオーケストラを想起される編成です。2年前の1957年にギルは「Gil Evans and Ten」というアルバムを作っていますが、タウンホールの編成のアイディアに関してはこのアルバムの影響がないとは言えないと思います。しかしながら実際のサウンドはギルのサウンドとはかなり異なります。本作でのアレンジはピアニスト、Hall Overtonによるものですが、察するにモンクやレーベルプロデューサーからの(ビッグバンドではないユニークな)編成の発注があり、それを、あまりチューバやホルンといったジャズではあまり馴染みのない楽器を使いこなせなかった、若しくは自由にアレンジを書かせてもらえなかった事情があったのではなかったのでしょうか?とはいえモンクのフレーズを管楽器群にトランスクリブした「Little Rootie Tootie」
でのソリは圧巻です。当時、アンコールでも再び本編で演奏したこの曲を演奏したということを見ても、この曲がこのコンサートに於けるハイライトだったということが言うまでもありません。




そしてもう1枚は「Monk's Blues」は1968年スタジオ録音。こちらはレギュラーサイズのビッグバンド編成です。アレンジはオリバーネルソン。いわゆるアレンジャーとしてのプロ中のプロです。本作でも彼のペンが冴え渡っています。アンサンブル要員として若きアーニーワッツ、トムスコットもいて興味深いです。オリバーネルソンのペンの特徴はコンテンポラリーで緻密でありながらとてもキャッチーでポップ(難しく聞こえない)だと思っています。本作はマイルスデイヴィスと「Sketches of Spain」「Pogy and Bess」「Kind of Blue」等のヒット作でタッグを組んでいたテオマセロがプロデューサーとして関わっているので、本作の制作に於いて、モンクのユニークさと「ポップ」感を出す為にアレンジャーをオリバーネルソンを配したのもテオのアイディアだと思います。マイルスがあれほど「アーティスト」として評価されたのも常にテオのプロデューシングや編集のアイディア、テクニックがあったからこそというもの今となっては周知の事実です。本作の裏ジャケットにはテオ、オリバーネルソン、モンクの3ショットのスナップが掲載されているほどテオの存在は大きいのだと思います。
本作はモンクとバンドのコントラストがとても面白いです。ある意味においてそれらは「水と油」で溶け合うことはないけれど、その分離が実にモンクというアーティストを象徴しているようでもあります。タウンホールよりも一層モンクのソロアルバムではなく、モンク本人演奏によるモンク作品集という印象を強く持ちました。

要約すると、本作は確固たるサウンドを持っているモンクに対してスコアの緻密さを得意とするオリバーネルソンがモンクのサウンドの余白を目一杯、音符で構築しているというモンクとオリバーネルソンの対比のドキュメントではないでしょうか?



この2枚、前者は東海岸ニューヨーク、後者は西海岸ロスアンジェルスでの録音なので風土、文化圏の違い、ミュージシャンの違いをハッキリ見ることができるという点でも比較するには面白いと思いました。

いわゆるうるさ型(音楽的感性が優れているという意味ではなく、ミュージシャンデータベースが豊富にありそれを独自に考察する人のこと)にとって、「Monk's Blue」はチャラくて薄い音楽だと思われる方もいるかと思いますが、今回の記述でも分りますが私個人的には大好きな1枚です。構築していくやり方もジャズの1つの方法だと思いますので。

余談ですが、モンクの代表曲「Blue Monk」にひっかけて付けられた「Monk's Blue」というアルバムのタイトルは安直ではありますが、モンク自身はこのレコーディングを楽しめていたかどうかは分らず知る由もないので、もしかしたら彼の心情も込めて付けられたタイトルだとしたら更にペーソスの効いた作品ですね。

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2012年01月21日

Step Into Our Life & Prime Time / Roy Ayers & Wayne Henderson

以前にも書いたことがありますが、ウェインヘンダーソンのアルバムを、私がクラシック一辺倒だった高校生の頃に初めて聴いてトロンボーンもジャンルを超えて映えるということを感じました。それによってクラシック系志望からジャズ、ポップス系志望と変わったのです。そのことについてはこちら

その彼のアナログ音源がついにCD化されたのです。しかも2in1、しかも両方ともロイエアーズと双頭アルバムです。まさにこれを高校生の時に聴いていたので、私にとって、とても大きな節目の機会を作ったメモリアルなアルバムです。とにかく当時聴いていてそのオシャレでアダルトなサウンドにメロメロでした。ロイエアーズのビブラホンとウェインのトロンボーンのサウンドのマッチングがスゴくいいです。洗練された都会的なサウンドです。またジャズクルセイダーズのアルバムよりももっとソフィスティケイトされていると思います。バックトラックのグルーヴ具合も素晴らしいく今聴いてもとてもHipです。これ系のサウンドってもしかしたら、このアルバムの時代から進歩していないのかもとも思える程です。前回紹介した、Raul De Sauzaの初CD化もそうでしたが、このCD発売も実に嬉しいです。

バカテク系、フルバン系のトロンボーン奏者の演奏を追いかけてばかりいる人に、騙されたと思って一度聴いてもらいたいと思います。音楽的センスの高い人ならば、これは絶対気に入ると思います。もちろん、音楽にあまり詳しくなくても非常に耳障りのいい音楽なので絶対楽しめます。カフェ音楽として聴いても絶品です!



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