2008年04月02日

Funkoverload / Maceo Parker

れは自分をアッパーに持っていくのに最高。こういうのも大好き。自分の好きな音楽って大まかに言えば、メロディのきれいなもの、ボサノヴァ、ファンクの3つだから。
Maceo Parkerは、元々James Brownのバンドにいた人。ファンクのサックスの創始者で、神様と言える。この人をファンキーと言わなかったら、誰もファンキーじゃないよね。 James BrownのバンドJB’sの中心人物っていうのは、このメイシオ・パーカーと、トロンボーンのフレッド・ウェズリーの2人で、JBがいない時でも2人でやっていた。フレッド・ウェズリーっていうのは、ファンクのトロンボーンの創始者で、以前に自分のアルバムで一緒にやったことがあるんだけど、彼もすごいんだよやっぱり。彼にしか出せない音を出す。いくら似せようと思っても似ない。物真似ができない。やっぱり違うよなぁーって、偏見じゃなくって人種の差なんかも感じちゃうよね。このアルバムは3年前のアルバムだから比較的新しいもの。ラップやっているのは彼の息子だったりする。そんなところもなかなか面白いアルバムです。
こういう音を日本でやりたいんだけどさ、リズムセクションできる人がなかなかいないんだよね。メイシオ・パーカーとも、いつかは一緒にやりたい。機会があればね。



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What Cha Gonna Do For Me / Chaka Khan

 これは1981年、20年前の作品。日本でもここ最近゛ディーバ゛とか言って女性のR&Bものが流行っているけど、彼女こそまさに本物のディーバと言える人。R&Bの元祖だよね。

 僕が19か20歳ぐらいでプロになるために東京に出て来て、雑誌のメンバー募集で知り合ったアマチュアバンドでやってた頃に、ちょうどこのアルバムを聴いてたの。当時チャカ・カーンはものすごい流行っていた。ルーファスとかポインターシスターズなんていうのが流行でね。久保田利伸君なんかも学生でアマチュアバンドでやっていたり。この世代は、みんなチャカ・カーンのコピーバンドをやっていたんだ。その頃の僕は、ひたすらトロンボーンが吹きたいっていうことしか頭になかったから、カバーでただただトロンボーンを吹いていた。当時はこのアルバムの音楽自体、そんなにすごいとは思っていなかったのね。でも聴きこんでいくうちに、そのすごさがわかってきた。
その時は演奏者側の立場でしか聴いていなかったんだけど、ここ数年、自分がプロデュースの仕事をたくさんするようになって、このアルバムの聴き方も、プロデュース側の観点から聴くようになった。そうしたら、改めてこのアルバムでの作る側のすごさが分ったんだ。
 プロデューサーはアリフ・マーディン(Arif Mardin)って、アレサ・フランクリンとかロバータ・フラック、ビージーズ、アベレージ・ホワイト・バンドなどなど、R&Bテイストのアルバムを数多くプロデュースしている大御所。彼が手がけたものはみんなすごくいい。チャカ・カーンの後ろにアリフあり、と言われるほどふたりの結びつきも強いし。 今思うと、このアルバムでばりばりやっている人達が、この前出したPONTA BOXのアルバム「NYPB」で、ベース弾いていたりとかする。それもちょっと感動もの。このアルバムのホーンセクションの人達、フュージョン大流行の真っ只中で中心になってやっていた人達、ブレッカーブラザーズ、ハイラム・ブロックなんていうのも、みんな後々結局一緒にやっているんだよなぁ。このアルバムの頃は、まだ彼らも一スタジオ・ミュージシャンだった。自分がカバーして練習していたアルバムの演奏をしていた人達と、後になって一緒に演奏しているっていうのも、考えてみれば、なんだかすごい不思議な気分だね。

 かつて何度も練習した曲ばかりだから、どの曲も懐かしい。タイトル曲なんか特に好きだね。すごいいいよ。今でもよく聴くしね。このチャカ・カーンの声って好き嫌いあるかもしれないけど、声が開く感じで、僕はそれがすごい好きなの。女性の声の方が好きなんだよね。癒されるから。しかし、このチャカ・カーンの声量、歌唱力、音量のものすごさには驚かされます。


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Truly / Jim Beard

 1997年の作品。Jim Beardはキーボードプレイヤーであり、プロデューサー・アレンジャーでもある人。このアルバムジャケットはかなりいっちゃってるんだけど(笑)、作る音はすごいものがある。パット・メセニーなんかの後ろで、サウンドの要になってたりしている人なのね。
 この人がフロントやるわけじゃなくて、裏方にまわるタイプなんだけど、感性が僕と似ている。和音の使い方や楽器の使い方など。彼の方が明らかに壊れているから、僕ももっと壊れないととは思うんだけど(笑)。

 ある意味、ジャズ・インストの中で、自分が最も期待している人でもある。 インストっていうのは、ケニーGみたいに、スムース・ジャズといって、ものすごくリスナーを意識する作り方をする人と、分かる奴に分かればいいんだよっていうものを作る人と、大きく分けて両極端がいるんだけど、彼はその中間にいる。もともと分かる奴にだけ分かればいいっていうスタンスでやってはいるんだけど、いろんなリスナーに分かるような作り方をしている所もあるのね。ビートだけ聴けばわりと聴きやすいけど、オーボエとかバス・クラリネットとか、生のフルートとか、普通は入れちゃうとものすごいクラシックになるはずのものががんがん入っていたりもする。でも、そんなにクラシッククラシックしていない。音の積み重ねや、イントロなんかを聴いても、クラシックをすごい勉強しているってことがすごい分かる。でもそれだけじゃなくて、現代音楽まで精通しているしね。ジャズ・フュージョンで好きな人がいいなぁと思って見てみると、この人の名前があることが多いんだよね。
 このアルバムに関しては、ほかの参加しているミュージシャンが超一流ってわけでもない。プレイヤーがうまいからどうこうっていうよりは、みんながジム・ベアードの支配下におかれていて、彼のやりたい環境で音が作られているという感じ。

 いいプロデューサーは、いいミュージシャンなのね。楽器が下手な奴が、いいプロデューサーにはなれない。この人は過去にいろんなことをやってきているってことが、音で分かる。同じフレーズをひくのでも、その人がそれまで通ってきた過程って音に出るから、そこが面白い。ロックだけやってきた人と、 R&Bもクラシックもやっていた人とだったら、同じ音列でも全然違うからね。彼の場合、ジャズだったり、クラシックのアルバムと言っても大丈夫なものもあったり、そんな多重人格な所も僕と一緒。
これからそんなにいっぱいアルバムを出せないと思うから、余計このアルバムは貴重だと思う。

Vince Mendoza / Vince Mendoza
Jim BeardとVince Mendozaの共通点は、すごくシンプルに聴こえる、けれど、すごくこだわった音作り、ということです。



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Reverence / Richard Bona

ボナは西アフリカのカメルーン出身。
もう10年以上に日本でワールドミュージックが流行った頃、サリフ・ケイタ(SalifKeita)などアフリカ系アーティストが人気だったんだけど、ボナは、パリに出てきてから、サリフ・ケイタ・バンドでやったりもしていた。これは余談になるけど、サリフ・ケイタとボナがまだ一緒にやってはいない頃、JAGATARAとサリフ・ケイタが共演したことがあって、ホーンを僕が書いたんだ。この曲はサリフ・ケイタのアルバムでもリカバーされて、俺の書いたフレーズをそのまま使ってくれているんだよ。その頃俺は、実を言うとアフリカの音楽にはあんまり興味がなかったの。アフリカの音楽ってはねる感じで、ジャズも昔は゛はねる゛のが中心だったから、なんだか古臭い気がして、そんなに深くは興味を持てなかった。

2.3年前に、渡辺貞夫さんのコンサートで、ボナが来たんだ。その時、僕はホーンのアレンジと演奏で参加したんだけど・・・すごかったんだよー。何がすごいって、ボナのベースがものすごく上手っていうのもすごいんだけど、たいがいの人は、楽器が上手だとそればかりがクローズアップされるだけでしょ。ボナの場合はもっと「大きい」の。ベースだけでなく、歌も上手いし、曲もいいのを書くし、パーカッションもうまいし、、、そうなると普通は器用貧乏ってことになるけど、彼は違う。すべてイコールなんだよね。歌でも楽器でも、自分を表現するツールにすぎないわけ。その上に自分のやりたい音楽があるから、決して器用貧乏には見えない。

NYの人ってすごく新しいもの好きで、話題の人を使いたがる。ボナもすぐ話題の人になって、あちこちで使われるようになったけど、彼の場合はそれだけじゃなくて、パット・メセニーとか重鎮が彼のアルバムに自ら参加している。それも重鎮の方から参加したがってね。普通大物が参加すると、それぞれがサウンドカラーを持っているから結構大変なものなんだけど、ボナはそんな中でも自分の色が出せちゃう。

ジャコ・パストリアスが抜けて、ウェザー・リポートが解散した後、ジョー・ザビヌルがザビヌル・シンジケートというバンドを作った。ベースがビクター・べイリー (Victor Bailey)だったり、サウンドもアフリカンっぽい感じのバンドでね。そこで、ジョー・ザビヌルが、ボナをピックアップしたのね。ジョー・ザビヌルは、ボナをジャコとだぶらせてる部分もあるみたい。ボナにとってジャコ・パストリアスは憧れでもあったわけだし、周囲からの「ジャコの再来」なんて声もある。でも、ボナはジャコなんかよりよっぽどうまいんだけどね。とにかくザビヌール・シンジケートにおいてのボナは、天才ベーシスト。

すごいベースがいるぜっていう話になって、デモテープを聴いてみたら、歌も上手いし、曲もうまいし、アレンジもいいしで驚いた。このアルバムREVERENCE も、CD屋の試聴コーナーで聴いて、あまりにすごすぎて、ちょうどその時自分に元気がなかったから、なんか買えなかった。そのぐらいすごいんだよね。 MBANGA KUMBAっていう曲を聴いた時、ストリングス、金管楽器も入っていて、やられたーーと思ったのね。この音はちゃんと研究していて、分析している人しか書けないものだから、ボナがここまでやってたらどうしようと思った。そしたらボナじゃなかったから、あぁよかったって安心したよ。
ボナは研究とか分析とは真逆の、感性でやる人だからさ。

ある意味、人をひっぱっていくタイプではないから、利用されないといいなぁと思う。しかし、ずるいよね。とりあえず声とかさ、ずるいでしょ。ポンタ氏も自分のメルマガで、ボナのことを「卑怯者」呼ばわりしているらしいけど(笑)、でもホント卑怯なんだよね。渡辺貞夫さんもね、ボナをプロデュースした時に、やっぱり嫉妬したって言っていたよ。日本語で嫉妬っていうと本意が伝わりづらいかもしれないけど、「jealousyを感じた」ってことね。ミュージシャン達がみんなジェラシーを感じてしまう存在、それがボナなんだろうね。

Beyond Words / Bobby Mcferrin
ボビー・マクファーリンって今まであんまり好きではなかった。妙にうまくて、小器用で、っていうイメージだったから。でも、このアルバムは、リチャード・ボナが参加していることで、かなりアフリカンなテイストが出ていてよい!シミる感じ。器用な人だから、今までもジャズミュージシャンとの即興的なコラボレートは多かった。このアルバムに関しては、瞬発力はないけれど、じわっとくる感動。それは本当は、偏に、ギル・ゴールドスタインによると思うところもあるんだけどね。



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Sleeping Gypsy / Michael Franks

参加しているミュージシャンがとにかくすごい。超スターだから。デイビッド・サンボーンとかマイケル・ブレッカーとかね。自分は、リアルタイムではなくて、20歳ぐらいの時に聴いていたけど、ただただすごいなーって憧れていたよね。
バックの演奏を聴くために買ったんだけど、実際に聴いてみたら、演奏だけじゃなくて、歌もいいし、曲もいいし、アレンジもいい。AORのハシり、と言えるのかな。シティ・ポップというのか。ロックじゃない。おしゃれな耳障りのいいもののハシりだろうね。

このアルバムは、歌の伴奏をする人々にとってはバイブルといえるもの。ひとつめの理由としては、ドラム、ピアノ、ベースなんかが、一切無駄なことをしないで、歌を引き立てる、とってもいい演奏をしている、ってこと。ふたつめは、歴史上残るいい演奏が入っているの。いろいろなアーティストが真似するんだけど、誰もかなわない。一流ミュージシャン達による一流の演奏。もうメロディの一部になっちゃっているから。有名なAnthonio's songっていう曲とかね。後半、デビッド・サンボーンのアルトサックスのソロが出てくるんだけど、もうすごい!の一言。涙なしには聴けないソロなんだよ。
ある意味歌よりも強いでしょ。すごいよね。もう泣いちゃうよ。この人と10何年後に一緒にやることになるなんて思わなかったよね。この曲、来年南佳孝さんのアルバムでカバーするんだ。これを超えなきゃいけない。難しいよそれは。誰もこのオリジナルを超えられていないわけだから。。でもガンバラなきゃ。

マイケル・フランクスはシンガーソングライターで、甘ったるい声でボサノバを英語で歌っている人。でもボサノバボサノバしていなくて、新しい解釈で表現している。この人確か哲学者でもあるんだよね。彼の書く曲はインストにできないの。サマにならない。逆に言うと、歌があってこそいいんだよね。メロディはごくごくシンプルで、そこに言葉をのっけることで、いろいろな抑揚が出る、といった感じ。今もアルバムを作りつづけているけど、歌や雰囲気は一緒でも、後ろがどんどんコンピューターを使って、デジタルっぽくなっていっちゃっている。派手派手しくなって。それはちょっと残念かな。
アルバムの時間、っていうのもちょっとは関係があって。今って、CDだから12,3曲とか入っているのが普通でしょ。ちょっと全曲集中して聴く気がしないんだよね。このアルバムなんかはLPの時代のものだから、4曲・4曲で8曲しか入っていないでしょ。時間の流れもちょうどよくって、飽きないんだよね。このアルバムは、恥ずかしながら、MDに入れていつも持ち歩いている。それぐらい好きだから。自分にとっての癒しの音楽。泣いちゃうよ・・・最近涙腺弱いからさ。

一流ミュージシャンを、ものすごい贅沢な使い方しているのね。POPSでもこれが応用できないかなとか思うんだけど、今の日本の状況ではできない、というかやれていないよね。キリンジとかテイストが一番近いかな、って気はするんだけど。売れてる若くて元気なミュージシャンをどんどん使うっていう意味では。プロデューサーがTommy LiPumaってものすごい有名な人で、ミキサーもAl Schmittって人で、このふたりは、ポップスのヒットメイカー。すごい目利きの、いい組み合わせなんだよね。当時も名プロデューサー・名ミキサーだったけど、今でもそれは変わってないからね。そんなの日本ではあんまりないことでしょ。
アレンジはClaus Ogermanっていうドイツ人なんだけど、アントニオ・カルロス・ジョビンのいい作品は軒並み彼がアレンジしている。そんなすごい3人が関わっているわけですね。このアルバムをいいと思える人は、ハイクラスだと思っていい。歌の伴奏をやっている人は全員聴かなきゃダメだね。



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2008年04月01日

Domingo / Caetano Veloso /Gal Costa

カエターノ=作曲家兼歌手と、ガル・コスタ=歌手の二人による、心地いいボサノヴァ・アルバム。これはすごい貴重なの。なぜかというとこの二人は、この後全然違う方向を歩みだしてしまうから。
カエターノは、サイケデリックになって、ボサノヴァというスタイルから離れていってしまう。政治的なメッセージを強く出す方向に行く。表現の規制が厳しくなって、亡命したりもしたのかな。その後はエンターテイメントとしての音楽を推し進めて、今はすごい国民的歌手になっているんだけど。一方ガル・コスタは、ブラジルで有名なシンガーとして成長しつづけるんだけど、このアルバムのように素直で自然な歌い方じゃなくて、年を経るにつれだんだん熱唱系になり、バタくさくなっていく。

この、飾り気がなくて、アコースティックで、歌いあげない感じ。自然な感じがすごい好きなのね。収録されているのは全部カエタノの作った曲なんだけど、曲自体もいいし、サウンドが平和でね・・・いいんだなぁ・・・。

5, 6年前にリサ(小野リサさん)に勧められたのが、このアルバムを聴いたきっかけなんだ。彼女とはよく一緒に演奏していた頃で、僕がボサノヴァは大好きだけど知識量として足りないっていう時に、彼女からボサノヴァについていろいろ教えてもらった。だから僕のボサノヴァ感は彼女の受け売りが多いかもしれない。ガル・コスタの歌い方は、リサにどこか似ているような気もするんだよね。誰々に似てるなんていう言い方したらミュージシャンは嫌なものだろうけど、くどい歌い方をしない、あくまで自然体でリラックスした感じが共通しているかな。僕はボサノヴァ自体ものすごい好きで、だからリサのアルバムをプロデュースをしたりもしたし、ブラジル人ミュージシャンとの付き合いもある。ボサノヴァの中でも好きなのは、ちゃんと間があるもの。言葉が羅列されていない。ゆったりしている。詞と詞の行間が感じられる。喋るように歌っていたり、演奏していたりするのがすごい好きだね。いい意味の脱力感が得られる。

男性ボーカリストって基本的に嫌いなんだけど、ボサノヴァに関しては好きなの。耳もとで歌ってもらっているような感じがたまらないんだよね。5000人のライブホールで歌っているっていうよりは、小さな空間で少人数のために歌っているって感じがするでしょ。みんなで聴くというより、2、3人でなごんでリラックスして聴くっていう感覚なところがすごい好き。
・・・あぁぁこんな風に歌う人と付き合いたいなぁ、、とか思うよねぇ・・・。
大人だけど、、いや、なんて言えばいいのかなぁ、大人に憧れているんだけど、まだ未成熟な感じの声。歳をとるともっと声が太くなっていく。ある種完成されちゃうとつまらない。完成されたものより、発達途上のものに魅力を感じるというのかな。これはアート全般に思うことなのかもしれないけど。何気なく歌っているけど、音程もいいし、リズムもいいし。自然に歌っているように歌う、こういう抑制された歌い方って実はすごく難しいものだと思う。どこをとっても、とても好きなアルバムだね。



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LADY IN SATIN / Billie Holiday

これは、すっごく落ち込んだ時に聴いて、もっともっと落とされる・・・そんなアルバムです・・・。楽しみ方は2通り。
ひとつめは、最初に言ったように、落ち込みたい時に聴いて、徹底的に落ち込むというもの。もう夢も希望もない感じにまでもっていかれちゃう。ふたつめはね、トロンボーンをじっくり聴いてほしい。トロンボーンが間奏のソロをいっぱい吹いているの。普段こういうのはあまりやらないことだから面白い。それも、トロンボーンがふたりいて、一人は黒人、J.J.ジョンソン。ジャズのトロンボーンはこの人が作ったんだよってほどの人。もう1人は白人、アービー・グリーン URBIE GREEN 。その二人が曲によって、それぞれ間奏を吹いている。これは、トロンボーンを吹く人にとっては、ものすごいお手本になる!ふたりの個性が際立っていて、とても分かりやすいから。
アービーの方は、派手。感情をあらわにする吹き方なんだ。色っぽくて、歌う感じ。それに対してJ.J.ジョンソンは、無口で地味。アービーみたいに派手な感じはなくて、演奏が淡白なの。それに、アービーはビブラートをかけるんだけど、JJジョンソンは全然かけていない。
12 曲中4曲にトロンボーンのソロが入っている。普通ならトロンボーンは1人でもいいのに、わざわざこの2人を起用して、吹き分けているっていうのも面白い。プロデューサーがそういう使い方をあえて狙ってやったんじゃないかな。トロンボーンも歌と一緒でものすごい個性が出てくるものだから、それをあえて対比させたというところのかな。アービーはスタジオミュージシャンタイプ、JJジョンソンはいわゆるアーティスト肌の人、とかなり違う個性の持ち主の2人だけれど、僕は、トロンボーン奏者で誰が好きですかって聞かれたら迷わずこの二人を挙げます。

トロンボーンの、歌の中のソロを見つけることって、すごい大変。そういう意味では、すごく特殊なCDだと思う。自分もトロンボーンをやっている人から、これは聴いておけよって言われて聴いたのが最初。トロンボーンを吹く人にとっては、このアルバムはマストアイテムです。絶対聴け!!

・・・もちろんトロンボーンは素晴らしいんだけど、それと同じぐらいいやそれにも増して、かな、歌もすばらしいよ。どんどん切なくなっちゃうの。ネガティブになるんではなくって、沈んでいっちゃう感じ。人生とは何ぞや・・・ってとこまでいっちゃう。ビリー・ホリデイって人も、テクを駆使して歌うっていうよりは、普通に歌っている。コブシを聴かせて歌うというわけでもなく、ね。でもテクニカルに走るんじゃない方が、伝わり方はストレートでしょ。演じている人が、押し付けがましくなっているより、一歩退いたところで歌ったり演奏したりしている方が、聞き手には伝わるからね。これは彼女の晩年の作品でもあり、彼女のそれまでの苦悩がすべて注ぎ込まれたような、そんな声が聴ける。とにかくとことん落ち込みたい時には自信を持ってお薦めできるアルバムです・・・(笑)


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2008年03月31日

The Crocodile Smile / Marc Beacco

Toots Thielemans, Mike Stern, Steve Swallowなどなど、ゲストの顔ぶれを見ると、彼の顔の広さがよく分かるね。それも金を出して呼んできたというより、みんな自ら集まったって感じなんだよ。彼に関しては、声がすごい好きとかいうわけでもないし、顔が好きというわけでもないんだけど(笑)、自分とどこか発想が似ているの。
All vocals performed and arranged by Marc Beacco, No synthesizers, Nosampling.
・・・こんなふうにクレジットされているように、すべての音が彼によって作られている生の音なんだよ。はじめて聴くとびっくりするよね。この多重録音具合。この声がすべて彼のものなんだからさ。全部ひとりでやっているからもちろんライブなんてできないわけだけれど。声が伴奏で、楽器がソロでメインをとる。そんなのって普通ないでしょ。すごいかっこいい。

彼は、このアルバムの後にもう1枚、すごい有名な人を呼んで、アルバムを作っているけど、やっぱりこっちのアルバムの方が断然いいね。この1枚目は、今までにないものを作っている。それが衝撃的だったけれど、2枚目はシステマティックになっているの。やっぱり、システムってすごい楽じゃない?こういう時はこうするとかさ、こうやればウケるとかさ。自分でも、ソリッド・ブラスでやる時なんかは、珍しい編成でやったりしているから、そういうシステム化してしまうことに対してはすごい気を付けている。

しかし、このアルバムが10年前というのはすごいよね。やることが早すぎちゃうのかもしれない。ヒップホップとか出てくるもっと前の話だからね。Marc Beaccoという人は、ボーカリストとしてプロフェッショナルなところもすごい好きなんだ。ボーカルをやっている人にこのアルバムを聴かせると、みんなすぐに買いにいく。そんな作品だね。ぜひ聴いてみてほしい。


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BIRD:The Complete Charlie Parker / Charlie Parker

チャーリー・パーカーって、今の時代から見るとオーソドックスだけど、その当時はプログレッシブだったよね。20代の半ばぐらいの頃は、俺、大嫌いだったの。教則本、バイブルというのか、正統派な感じでね。こういう時にこういうフレーズを吹かないとジャズじゃないよ、みたいなところがあって。喋る言葉、フレーズが決まっているのが、自分にとってすごい窮屈で、ちょっと聴いてみて嫌だと思ったから、それ以降全然聴かなくなっていたんだ。

チャーリー・パーカーへのそんな気持ちが変わったのは、NYでのちょっとしたことがきっかけなの。オルケスタ・デ・ラ・ルスでやっていた頃、メンバーみんなで自腹でNYに行くことになったんだ。ただでいろんなクラブとかまわって演奏しようって感じで、地元のサルサクラブに行ってね。
朝までやっている場末のキャバレーみたいなところで、みんな踊りが目的で来るから、演奏なんて全然聴いてないわけ。がっかりするでしょ。お金がもらえるわけでもないし、演奏なんてろくに聴いてない奴らのために演奏してさ。それで演奏を終えて、朝6時ぐらいに安いモーテルに帰って、バイキングみたいなの食べて、朝の7時ぐらいに寝る。そんな生活でさ、徹夜とかもそんなに好きじゃないし、なんだか日々泣きそうになってたんだよね。そんな時、ふとラジオをつけたら、チャーリー・パーカーがかかっていた。それが、心にがつーーんときたんだよね。音にすごい魂があった。彼は、自分は何がしたいのか、ってことを音ではっきり主張していた。
今までは、お勉強のための音楽、って思って嫌っていたけれど、その時、違う、って思ったんだ。NYで泣きそうな生活していて、自分は何のために音楽をやるんだろう、何がやりたいんだろう、なんてことを思っていたところで、たまたま流れていたチャーリー・パーカーにすごい衝撃を受けた。あっジャズだ、俺はこれをやるんだ、やりたいんだ。その瞬間にそう強く思ったんだ。その時流れていたのはローラっていう曲だったんだけど、それ以来彼のほかの曲も聴くようになった。

自分はリリカルな人がすごい好きみたい。
若い時は、メカニカルな点、早く吹けるとか高い音が吹けるとか、そういうことに興味を持っていたけど、この時のNYの頃あたりから、歌心というものにすごい興味がいくようになった。そんな自分にとっての転機になったという意味でも、印象深いプレイヤーだね。このアルバムはぎっしり彼の曲が詰まっているのでお薦め。


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Live At The Old Point / Bonerama

トロンボーン5人とスーザホン、ギター、ドラムという編成のBoneramaというグループのデビューアルバム。なんて言いつつ、彼らのことは全然知らずに聴いたんだよね。そうしたら、これが結構ちゃんとしてるんですよ。ハリー・コニックJr.のビッグバンドをやってたりするようなメンバーでね。このアルバムのどこが好きかって、ばかばかしいところ、それに尽きるね。ジャケットを見てくれれば、どれぐらいこいつらがはじけてるか分かるから。まず中をね、怖いものみたさで開いて見てみてください。
いい年してさ、すごいと思うんだよね。このポーズ。本当にばかばかしくって好きなんだよなー。
(注:メンバー全員素っ裸で局部をそれぞれの楽器で隠している写真があります)

トロンボーンが4、5人いると、なにか難しいことをやろうとする傾向があって、潔くないんだけど、これはもっと潔く単純な感じ。ライブ盤だし、はじけてるのが、すごくいいなぁって思う。トロンボーン4人と後ろにピアノトリオがいるようなスタイルは、若い人の間でも流行ってきている。でも複数でトロンボーンをやる時は、このアルバムみたいなファンクをやらないで、だいたいがジャズっぽい方向にいっちゃうもの。それが、この人達は、もっとのほほんとした感じ。こんなにはじけているのってほかにあんまりないよ。自分もこうやってやりたいなと思う。トロンボーンの使い方っていう意味では、自分と感性が似ていると思う。トロンボーンの世界って、トロンボーンはこうあるべきだっていうのがすごくあるんだけど、このアルバムはそういう枠から飛びだしている。別にトロンボーンだからって、こう吹かなくてもいいじゃん、っていうところが、自分とすごく近いの。ベースがいないのもソリッドブラス的だし。トロンボーンってお行儀いいのばっかりで、こういうのってあんまりないもんね。疲れているときにはあんまり聴きたくないけど。それぐらいエネルギッシュな演奏です。


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Let's Do It 愛は思うまま / 吉田美奈子

ボーカリストでもプレイヤーでも、表情が豊か。音量も変わるし。今の音楽で、聴いていて音量感の伝わるのってあんまりないでしょ。後すごいなぁって思うのは、歌い方をすごく変えるのね。同じ人が歌っているんだけれど、表情をつけて歌う。表現力が豊かなんだ。歌が上手い、とか歌い上げる人っていうのは、今もいるけれど、こんなに表情がある歌っていうのはあまりお目にかかれない。外に向けて発信したいんです、っていうオーラが出ているよね。

吉田美奈子さんのライブも、20年前ぐらいに行ったのね。岡沢さんもいて、ホーンがばーんとあって、すごいカッコイイの。サックスの清水靖晃が、ミュージック・ディレクションを全部やっていた。ホーンの人がこうやって、サウンドプロデュースをやるっていうのは、日本にはなかったから、すごいかっこよくて感動したんだ。清水さんは、ジャズプレイヤーでデビューしてきて、とにかくものすごいうまかった。マイケルブレッカーに一番近いと言われたりもしていた。途中でわざわざ壊していくの、自分の音楽を。破滅型というのかな。登り詰めて、メカニカルにある程度まで行っちゃうと、最終的には、サックス吹かなくていいや、ぐらいのとこまでいっちゃった人。いわゆる天才で、後には大衆音楽とのギャップがどんどん出てきてしまって、今はバッハの無伴奏でサックスやってたりする。清水さんになりたかった。必ず自分の目標のどこかにあった。自分は20歳そこそこで、トロンボーンを吹いていたけど、いつかは曲を作ったりアレンジしたりプロデュースやったりしたいって、どこかで思うようになっていったのも、清水さんの影響かもしれない。

吉田美奈子さんも、当時の自分にとっては憧れの存在だった。そんな美奈子さんが、自分の書いたアレンジで歌うなんてね。去年の大晦日のライブに美奈子さんが歌いに来てくれたんだけど、もうそこで歌ってもらっているだけで嬉しいの。すごいリスペクトしているしさ。呼んでいただければいつでもやりたいって感じ。縁というのはあると思う。自分は運命論者ではないけれど。自分がいくら一緒にやりたくても、縁のある人とない人がいると思う。達郎さんの場合でも、今までタイミング合わなくてやってない。まわりは一緒にやってたりするけど。でも機会がくれば一緒にやるでしょう、って感じはする。美奈子さんは、絶対一緒にやりたいタイプの人だったけど、そんな機会なかったし、無理にこちらからいってもね、なんて思っていたら、そういう機会がやってきた。やっぱり縁とタイミングってあるんだよね。

昔憧れていた人でも、一緒にやりたくない人もいるし、メッキがはがれちゃったような人もいる。でも、20年前に自分の力で光っていた人っていうのは、絶対にメッキがはがれない。誰かによりかかって輝いていたような人は消えていっちゃう。



ANGEL IN THE DARK / Laura Nyro
ローラ・ニーロと吉田美奈子は、歌の肌触りがすごく似ている。でも、どちらが真似をしたというわけでもなく、同時代に、違う場所で生まれたものである。



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2008年03月28日

What's New / Linda Ronstadt & The Nelson Riddle Orchestra

ネルソン・リドルは、ストリングスが入るようなアレンジを得意とする、アレンジャ−。実験的なことはあまりしない人。歌にそぐう形の、あくまで歌の伴奏。彼の代表作といえば、やっぱりフランク・シナトラかな。
リンダは、基本的にポップス界の人。カントリーとかロックとかね。そんな彼女にジャズのスタンダードを歌わせる、という企画があって、リンダがネルソンのアレンジで、オーケストラで歌うというアルバムが3枚出ている。これはそのうちの一枚です。ネルソンのジャズ・アレンジは、安心して聴けるんだよね。落ち着いて聴ける。

リンダは、アリゾナ州出身だけど、確かメキシコ系の人なんだ。元々は英語が母国語じゃないから、人一倍英語の発音を練習したっていう話をいつか聞いたことがある。それで、ものすごい英語がきれいなの。聞き惚れるぐらい。それから、ジャズのアルバムをポップスの人が歌う場合って、変に歌いこんだりしがちなんだけど、リンダは、変にビブラートかけたりもしないし、くどくもないし、とにかく素直に歌っているから好きなんだ。声とか歌い方がとにかく可愛い。歌いこむときはすごい歌いこむけど、それがまったくわざとらしくない。

これは1983年の作品なんだけど、アルバムジャケットに初期型のウォークマンが。当時目新しいものだったのかな。とにかくこのアルバムも、気持ち良く聴けるので、ヘビーローテーションのひとつだね。


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Brother To Brother / Gino Vannelli

20歳前後の時、アメリカンロックって興味なくて、いいとも思わなかったんだよね。そんな時に人から薦められて聴いたのがこれなんだ。
 ドラマーがジャズ・フュージョンで人気のある人だからってことで薦められたんだけれど、実際に聴いてみたら、歌がすごくよくてはまってしまった。何より、アレンジがドラマティックなんだ。タイトルにもなっているBrother to brotherという曲は、インスト部分が多い曲で、ジャズ好きな人がうなるようなドラマチックな展開をする。それに歌の構成がありがちなじゃない。ほんとドラマチックという言葉がぴったりなんだよ。
 カナダ人の兄弟(ジョー・ロス・ジノのヴァネリ3兄弟)でやっているんだけれど、兄弟のコンビネーションがすごい良い。まさにタイトル通り。兄弟の力がうまくからみあっていい効果をもたらしている。自分の音作りに影響を受けたわけではないんだけれど、好きでよく聴いていたな。
 Jポップで、こういうサウンドが売れたら、世の中もうちょっと良くなるのでは、と思う。


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Eminent J.J. Johnson Vol 2, / J.J. Johnson

〜このアルバムはどんなアルバムですか?

「24歳という若さで無くなったトランペッター、クリフォード・ブラウンが参加しているので有名なジャズのアルバムなんだけど、全体的に演奏がとてもイイんだ。トロンボーン奏者として言うと、この人はジャズトロンボーンの元祖かな。」

〜なるほど。

「それまでは、トロンボーンというと無骨で野性的という印象があったんだけど、メカニカルでサックスみたいなフレーズを吹いている。この人はアレンジャー作曲家としても活躍していて、サウンド全体を聴いて演奏しているんだ。」

〜村田さんと似たスタンスなんですね。何歳頃に聴かれたんですか?

「初めて聴いたのは10代だったと思うけど、その時は“スムース”過ぎて、あんまり好きじゃなかった、自分で本格的に音楽をやるようになってから、だんだんと魅力がわかるようになったんだ。演奏技術として難しいことは特にやっていないんだけど、曲を引き立たせるために効果的なフレーズに溢れている。自分も随分、影響を受けたと思うよ。」

〜そもそも、トロンボーンを手にしたのたきっかけというのは何だったんですか?

「中学生の時に同級生に誘われて、ブラスバンドに入ったのがきっかけといえば、きっかけかな?最初はホルンだったんだけど。だから、いわゆる音楽教育は受けていないんだ。」

〜えー!そうなんですか?バリバリ音大出身な人だと思っていました。

「全然違うよ。ただ僕が育った静岡市というところは、オーケストラやブラスバンドが盛んで、大学時代も地元のユースオーケストラに在籍していた。その経験は、貴重だったと思う。」

〜プロになろうと思ったきっかけは何なんですか?

「高校生の時に観た向井滋春さんのライブかな、やっぱり。」

〜ジャズ・トロンボーンの向井さんですよね。どこでご覧になったんですか?

「地元のラジオ局の主催で浜松グランドホテルでやったんだ。新聞で告知を見て向井さんが誰かもよく知らずに観に行ったんだけど、感動した。トロンボーンでこんなに自由に演奏できるのなら、自分もやりたいと思ったよ。その時に佐山さんがメンバーで来ていて会ってるんだよね。」

〜佐山雅弘さんとは20年後に一緒に同じレーベルをやっているんですものね。運命的ですね。

「向井さんのプレイや音色が本当に好きだったから、学生時代はそっくりに吹いて、喜んでいた。好きだと演奏が似てくるじゃない。だから、プロになってから、向井さんを消化するのが大変だった。自分の音が出せるようになるのには、10年はかかったね。」

〜村田さんは、音楽のジャンルの幅が広いですものね。

「ビ・バップが予定調和に思えて、ジャガタラからフリージャズの方に行ったんだ。渋谷毅オーケストラや坂田明バンドに参加してた。」

〜それも知りませんでした。面白いですね。米米クラブの初期に参加していた人が、渋谷オーケストラのメンバーとは、驚きですね。

「でも、だんだんフリージャズこそ、予定調和な気がしてきて止めてしまった。その後、アレンジの仕事で、ポップスやいろんなジャンルをやるようになって、 J.J.JOHNSONの良さがわかるようになったんだ。本当に良いなと思ったのは、26歳くらいかな。でも、フリージャズを1回通って、外に出た人間だから、僕は一世代下のいわゆる“新主流派”と言われている人たちとは考え方が違うんだ。」

〜そんな村田さんがこのアルバムを勧めるからこそ意義深いんですね。






Volume 2 - Remaster / Miles Davis
これは参加メンバーもJ.J.Johnson "Eminent J.J.Johnson vol2,"と一緒で、同時期に録音されたもの。



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Reach Out / Burt Bacharach

〜Burt Bacharach / Reach Out

Burt Bacharachは作曲家でもあり編曲家でもある人。ほとんどの人が彼の曲を1度は耳にしたことがあると思う。カーペンターズの初期の曲は彼が書いていた。
 「明日に向かって撃て!」のテーマ曲、”雨にぬれても”も彼の作品。映画音楽やポピュラー音楽の作曲家で、だいたいお馴染みの曲ばっかりだよね。 A&Mレコードだから「A&Mサウンド」とも言われる、わりとほんわかしたムードの曲で、メロディがシンプルできれいなんだ。

 バカラック・サウンドとA&Mサウンドというのが、ほぼ同じ意味を持っている、かな。”ソフトロック”というのか、ハードではないけど、リズムの感じが8とか16なのね。
現存するポピュラーソングの作曲家としてはピカイチ。

 この人の記念コンサートには、シェリル・クロウとか今時の若いアーティストも大勢参加するぐらいリスペクトされているよね。とにかく曲がいいから、いろいろな人がカバーして、全然違ったリズム、違った雰囲気になってもイイ。
彼の作品集っていっぱい出ているけど、同じ曲をいろいろなアーティストがやっていて、どれもいいんだよね。曲を作る上で、具体的に自分が何かマネすることはないんだけど、純粋に好き、なんだよね。5、6年前にA&Mサウンドがすごい流行った時は、みんなマネしていたけど、やっぱり誰も彼を超えられはしないと思う。
彼がすごいのは、いろいろなタイプの曲を書くことができるっていうこと。そして今もずっと書きつづけている。もちろん昔ほどいい曲は出てこないけれど、それはしょうがないよね。とにかくすごい人だよ。

 日本ってこういう風に作曲家ひとりがクローズアップされることってない。曲そのものを大切にしてくれない。消費文化だから使い捨てでしょ。日本の歌謡曲で、ずっとずっと歌い継がれていく曲っていうのも少ないしね。曲が残るというよりは、歌った人が残る、という感じかもしれないね。・・・しかし、このアルバムは泣いちゃうよ。メロディがきれいすぎて。自分の気持ちをアッパーに持っていくというよりは、聴いて心から落ち着ける。癒されるね。




Close To You(遙かなる影) / Carpenters
カーペンターズの楽曲には、バート・バカラックが非常に多いんです。カーペンターズってこうだよね、って説明する時に、実はサウンドの作り方が、まんまバート・バカラックだったりするわけです。初期のカーペンターズが好きという人が多いけれど、初期には特にバート・バカラックを多く取り上げているからね。


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JJ.Inc + 3 / JJ. Johnson

言わずとしれたJ.J.JOHNSON。ジャズ・トロンボーンのスタイルを確立した人だね。今までのジャズ・トロンボーンプレイヤーで、彼の影響を受けていない人は誰もいないというほどです。世間一般のイメージとしては、非常にテクニカルな演奏スタイルと思われているけれど、実は最も、本来のトロンボーンが持つ力強さ、音の太さ、熱さ(ホットさ)を持っているプレイヤー。

それまでのトロンボーンの演奏スタイルは、もっとシンプルで、複雑な細かいフレーズには不向きな楽器であるという認識があった。それを彼が覆した。だからテクニカルな人という印象が強いんだと思うけれど、彼はテクニカルなだけじゃない人。でもさ、あまりにも演奏が理路整然としているので、10数年前に俺がインタビューした時にね、「あなたはアドリブソロを事前に作っていないですか?」って本人に聞いてみたの(笑)。
そうしたら、すごいむっとされたよ(笑)。
あれはやっぱり事前に作ってるよね(笑)。
いやそれはもちろん違うだろうけどさ・・、でも本当に、、まるで事前に作っているかのように理路整然としているの。かといって、理路整然=クール、というわけではなくて、演奏はホット!それが好き。

最初はやっぱり自分も、彼のテクニカルなイメージが大嫌いだった。でも聴きこんでみると、彼の熱い演奏がすごい好きになった。ミュージシャンとしてもすごいクレバーな人だしね。ほかのミュージシャン達がみんな彼の影響を受けているっていうのも、ものすごくよく分かる。ジャズ・トロンボーンをやる人にはぜひ聴いてほしい。彼のアルバムはいろいろあるけど、このJ.J.INCを選んだのは、最も力強いアルバムだから。テクニカルな印象しか持ってない人は、これを聴いてもらえば入りやすい。いい入門になると思うよ。

JJ.Inc + 3 / JJ. Johnsonが見当たらないので代わりにベスト盤。

素晴らしすぎ!

Trombone Master



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UMPTEEN TROMBONES / URBIE GREEN

音量をセーブしていて、柔らかくて、つややかなサウンドが特徴。細かな音符を一切排除して、長くつながる、スムース・なめらかなレガート奏法なのね。

スタイルとしては古いんですわ。大元は、トミー・ドーシーという人がすごく有名。1950年代、ダンスバンドの全盛期。社交ダンスが新しかった頃。ダンス音楽に求められるのは、とにかく人々がダンスができることだった。音楽うんぬんでなく、踊れればよし。そんな踊るための音楽から、ちゃんと鑑賞する音楽へという流れで出てきたのが、ビーバップね。トミー・ドーシーという人は、スイートサウンドのトロンボーンを確立した人。トミー・ドーシー楽団の専属歌手にはフランク・シナトラがいた。シナトラの歌い方はトミー・ドーシーの吹き方そっくりなんだよね。トミー・ドーシーは8小節でブレスをとるところを32小節トロンボーンを吹いてブレスをとる。シナトラもそういう歌い方するでしょ。

そんなトミー・ドーシーの演奏スタイルを継承したのが、アービー・グリーンというわけ。ある意味サウンドが白人的というか、明るい。よどんでいない。比較対象として面白いのが、このメルマガでも以前紹介した、ビリー・ホリデイの"Lady in Satin"。このアルバムでは、今回紹介した二人、J.J.JOHNSONとURBIE GREENがトロンボーンを演奏しているんだ。ふたりの演奏スタイルに興味のある人は、このアルバムをもう一度聴いて比べてみると面白いよ。

近年どんどん、トロンボーン奏者は技巧派(細かく、早く吹くテクニック)に偏重するきらいがあって、こういうスイートスタイルの演奏をできる人がいなくなってしまっている。それは、時代のニーズがないこととも関連しているけど、すごく残念だよ。自分はスイートものもやりたいし、そういう演奏ができるシチュエーションを作ろうとしている。人のプロデュースする時に、スイートなスタイルがはまる場合はやるようにしたりね。

このアルバムは、20本のトロンボーンバックで、アービー・グリーンがずっとソロを吹いている。トロンボーンがこれだけ集まってもすごい柔らかいサウンド。トロンボーンのアンサンブルの柔らかさが出ているアルバムです。おすすめ。見つけたら即買い、ね。



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EVERYDAY EVERYNIGHT / FLORA PURIM

トロンボーンの魅力を語る上で外せないのが、なんと言ってもブラジルサウンドの中のトロンボーン!ブラジル音楽の名盤とされるアルバムの中には、トロンボーンの演奏が多いんだよね。ブラジル音楽では、サックスなどよりも、トロンボーンやフルートのソロの方が割合的に多い。それだけ、ブラジルのサウンドにトロンボーンというのははまりがよいってことなんだ。なぜかというと、歴史的なものも関係している。ブラジルの古典的なインスト音楽で、ショーロっていうジャンルがあるんだけど、そのジャンルの中ではトロンボーンやフルートにものすごいニーズがあった。ブラジルにおいては、それだけポピュラーな楽器なのね。

有名どころでアントニオ・カルロス・ジョビンなんかも、アルバムでトロンボーンを多用してる。この演奏は、アービー・グリーンがほとんどやっているんだけどね。ブラジルでレコーディングするのならブラジル人プレイヤーを使うはずだけど、あえてアービー・グリーン。なぜか?細かな演奏より、メロディアスな演奏が必要だった。レコーディングをブラジルでなく、NYやLAでやっていたから。その頃ボサノヴァを作っていた人達は、サンバとアメリカのジャズをミックスして、ボサノヴァを作った。つまりアメリカの方を向いていた人達が多かった。・・などなど、そんないろいろな理由があるから、アービー・グリーンが起用されていたんだと思うんだけれども。

このアルバムのトロンボーン奏者、RAUL DE SOUZAも、アメリカに移住したし。フローラ・プリムや旦那のアイアート・モレイラなんかも一緒にアメリカに出てきた。スーザは、その時期にアメリカで自分のアルバムも出している。

ブラジル人のトロンボーンって、音が柔らかくて、高い音をあまり多用しない。中低音を生かした、ヒステリックでない感じの音なんだ。ブラジル人しか出せないような、あったかい、ぼくとつとした感じというのがあって好き。テクニカル派と比べると、ヒステリックでない。そして、抜群にリズム感がいい。

スーザは、70年代後半にメジャーになって以降、表立って外で活動はしてない。ブラジルにひっこんじゃって、今はアメリカとも縁ないし、CDも作っていないんだ。6年前ぐらいに、スーザに会いに、リオデジャネイロに行ったの。将来、彼が日本やアメリカに来ることはないとわかっていたからね。彼に会うなら自分から行くしかないって思って。ちっちゃいクラブで演奏やってるのを新聞で調べて、行ったよ。場末のパブみたいなところでやっていた。年はとっているけど演奏はそのまんまで。ポピュラリティを求めるよりは、もっとプライベートな感じ。商売っけなんてまったくないの。
行ってよかったなぁ、と思う。
どうしても会いたい人がいる場合、待っていてもダメだから、やっぱり自分から動かなきゃダメなんだよね。

彼もすごいジャズが好きでジャズがやりたくてって人なんだよね。ラウル・デ・スーザも、フレッド・ウェズリーもそうだけど、彼らのアイドルはJJジョンソン。スーザは自分のソロアルバムでJJにホーンのアレンジを頼んだりしてる。スーザのソロアルバムはいっぱいおすすめあるけれど、CD化されていない。ので、中でも、彼のエッセンスがいっぱいつまっているこのアルバムをおすすめします。


posted by YM at 03:38| 東京 ☀| レコメンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Full Circle From Be Bop To Hip Hop / Fred Wesley

ファンク系トロンボーンといった場合、フレッド・ウェズリーが創始者ですね。彼がファンク系トロンボーンを作ったと言いきってよし。ジェームズ・ブラウンをファンクの創始者とするならば、彼のバンドの初代トロンボーンはフレッドだからね。JBがファンクのすべてを作り上げたわけではなく、JBのバンドの連中みんながファンクというものを作り上げた。その中でもフレッドはバンドマスターだから、彼の功績は大きい。

技巧派ではない。テクニカルという面よりはもっと違う部分が大きい。ファンクっていうのは、基本的に、1つのリズムパターンを延々とやって、そのグルーブを楽しむもの。和音も細かく動くのでなく、1コードでやって、リフレインしていくことでできていく音楽。インプロビゼーション−即興的な要素−がまったくないジャンルなので、トロンボーンのソロも、即興でなく、よりメロディアスでリズミックなアプローチになるの。


表面的にはテクニカルじゃない分、誰でも吹けると思いがちなんだけど、実は全然そうじゃない。リズム感や音の選び方がものすごく大切になってくるから。若い子達が真似しても、フレーズは真似できるんだけど、“置く場所”・・・吹くタイミングとかリズムのとり方っていうすごく大切なところができない。そこをもっとやった方がいいよね。僕も彼と一緒に演奏してそばで感じたから、そいういうことがよく分かる。彼の演奏スタイルは、テクニカルじゃない分、トロンボーンの特性を生かしたフレージングなの。グリッサンドの多用。ポルタメントの多用。音のつなぎが短い。

ある意味、テクニック至上主義ということに関しては、脱トロンボーンサウンドという方向に向かっていきやすいのね。元々トロンボーンというのは早いパッセージをやることに対しては、非機能的な楽器だから。トロンボーンがうまくなりたいと思えば思うほど、従来のトロンボーンではできなかったことをやっていきたくなってしまうもの。でも、自分は、技術偏重にならずに、フレッド・ウェズリーみたいに、「トロンボーンをトロンボーンらしく演奏していく」ということをもっともっと追求していきたいと思う。若い子にも聴きやすいアルバムだと思うので、ぜひ聴いてみてほしい。フレッド・ウェズリーは、最近クラブシーンでよくかかって、ちょっと流行ったりしたから聴きやすいと思うしね。


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Volume 2 - Remaster / Miles Davis

これは参加メンバーもJ.J.Johnson "Eminent J.J.Johnson vol2,"と一緒で、同時期に録音されたもの。

"Eminent…"はJJの名盤としても有名だけど、若くして亡くなった天才トランペッター、クリフォード・ブラウンが参加していることでも有名なアルバム。
JJの"Eminent…"にはクリフォード・ブラウンが参加している。それと同じようなスタイルで、マイルスの"Volume 2"には、JJが参加しているの。
似たようなコンセプト、似たような音楽のスタイルで作られているから、クリフォード・ブラウンとやっているJJ,マイルスとやっているJJという二つの演奏スタイルを聞き比べると面白いでしょう。

Eminent J.J. Johnson Vol 2, / J.J. Johnson
JJの"Eminent…"にはクリフォード・ブラウンが参加している。それと同じようなスタイルで、マイルスの"Volume 2"には、JJが参加しているの。




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